水曜日, 12月 31, 2008

時価総額が大きく下落

 時価総額とは、企業の価値を表す代表的な指標で、その会社の発行済み株数に評価時点の株価をかけて算出、理論上ではその会社の売却値段になるといわれています。上場企業の総額は、その国の株式市場の規模を示すことになります。
 東京証券取引所ホームページによりますと、2008年11月末時点で、東証一部は約270兆円、二部、マザーズもあわせると合計で約274兆6000億円です。2007年11月の総額は約501兆7700億円ですから、なんと11月末時点での比較では45%も下落したことになります。大納会で、日経平均株価は42%下落ですから、恐ろしい話です。2005年のりそな銀行国有化から株価が年末まで40.2%上昇した分は一気に吹っ飛んだことになります。
 新光総合研究所によれば、世界の主要企業6500社の株式時価総額は22兆ドル(1980兆円)、46%が消えたことになります。2007年3月の世界の企業の時価総額の合計は51兆2250億ドル、1ドル=90円で計算すると、約4610兆円でした。
 下落率ワースト1はロシアで70%以上も下落、アメリカ(ダウ工業株30種)は36.04%、イギリス(FT100種)は33.10%下落しました。新興国ではインド(SENSEX)で53.01%、中国(上海総合)で65.16%も下落、やはり金融不安では、不安定な新興国からお金は逃げていくようです。
 日本における企業別時価総額は、トヨタがNo1の規模で。約10兆円、昨年比下落率は54%、日産自動車は35位で1兆4466億円、下落率はなんと74%にもなります。ちなみに2位はNTTドコモで約8兆円、下落率は7%でした。

火曜日, 12月 30, 2008

ビッグスリーはやはり潰せないよね

 米財務省は29日、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の関連金融会社で、自動車ローンなどを扱うGMACに対し、50億ドル(約4500億円)を資本注入すると発表しました。GM本体への緊急融資も10億ドル(約900億円)上積みします。いずれも金融安定化法で定めた公的資金枠から拠出、経営難に陥っているGMへの追加支援となります。資本注入は、米財務省がGMACの優先株を購入する形で実施、GMへの緊急融資の上積みは、同社がGMACの銀行持ち株会社化を支援するための資金として提供します。米政府は自動車大手の資金繰りを支援するため、金融安定化法で定めた公的資金枠からGMに134億ドル、クライスラーに40億ドルの緊急融資を決定。GMACへの資本注入とGMへの追加融資はこれとは別枠の支援となります。
 ロックフェラーとロスチャイルドでしょうか。GMやクライスラーの話はよく出てきますが、フォードはどうなのでしょうか。金融の世界でもこの戦いがあるとかないとか。表の舞台だけでは計り知れないことがあるようですが、来年は大きな転換期となるような気がします。

過去最大の下落率を記録(東京証券取引所)

 30日の東京株式市場で日経平均株価の終値は8859円56銭となり、前年の終値と比べて42.1%安となりました。年間騰落率としては、算出開始の1949年以降で過去最大の下落率となりました。これまでの記録はバブル経済が崩壊した1990年のマイナス38.7%でした。特に9月の米証券のリーマン・ブラザーズの破綻以降は大きく売られる展開となり、10月27日には1982年10月7日以来、26年ぶりの安値となる7162円90銭まで下落しました。 東証株価指数(TOPIX)の年間騰落率はマイナス41.8%でした。
 干支別のアノマリーでは、昨年の亥年や今年の子年は、株価は上昇の確率が高いのですが、過去の経験則は全く機能しなかったことになります。来年は丑年で、この年は過去最悪のパフォーマンスです。ことらはアノマリーが通用しない方がよいですね。

アメリカ長期金利が低下、ドル暴落に注意

 米連邦準備理事会(FRB)による異例の金融緩和を受け、米金融市場では長期金利が2%割れ目前の歴史的な低水準に低下し、ドル相場が急落しています。FRBが米国債の買い入れを検討すると表明したことが長期金利を押し下げる一方、大幅緩和でドルの価値が目減りするとの懸念が強まっているためです。長期金利の低下は、景気下支えには好都合となりますが、過度のドル安には海外資金の流入を阻害するなど副作用もあります。金利低下は株価にとっては好材料、しかし自国通貨を海外から誘い込むには不都合ということです。
 FRBは今月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の誘導目標の下限をゼロに切り下げる一方、「長期国債を買い入れる利点を検討する」などとして量的金融緩和の一段の拡大を打ち出しました。これを受けて債券市場では米国債の利回りが低下(価格は上昇)、長期金利の指標となる10年物国債の利回りは18日に一時2.03%と過去最低を更新。11月初め(3日、3.91%)の約半分の水準まで下がったことになります。
 相次ぐFRBによる救済措置(銀行、証券、保険、ノンバンク、一般企業にいたるまで)のための資金源として赤字国債の大量発行は避けられません。次なる米国の打つ手は、ドル暴落の阻止です。一時的には景気回復のために「ドル安」、その後は米国の世界的地位の復活のために「ドル高」という方向なのでしょう。この潮目がいつなのかが今後の焦点ですね。おそらく来年4月2日の第二回金融サミットあたりかも...

月曜日, 12月 29, 2008

景気回復は2010年頃?

 日本経済新聞社が中国、韓国の有力経済紙と共同で実施した「日中韓経営者アンケート」によると、世界景気が回復に向かう時期は日中韓とも「2010年1~6月」との回答が最多だったと報じています。各国の国内景気が持ち直す時期について、日本の経営者は40.5%が「2010年1~6月」と予測、中国は33.6%、韓国も43.8%が同じ時期を予測したとのことです。
 今年10月発表の日銀の展望においても、2010年景気回復を予想しています。麻生総理の3年後の消費税率見直しなど、どうも2010年という年がポイントなのでしょうか。株式投資の世界での格言では丑年、寅年は株価は低迷、辰巳天井といわれ、辰年は株価が上がるそうです。あくまでも過去の経験からですが、そうすると2010年は回復の年でしょうか。
 景気波動はどうなのかという話もあります。「キチンの波」という短期波動があり、その周期は40ヶ月といわれています。企業の在庫循環によるもので、鉱工業生産指数の前年比変動率などが用いられます。40ヶ月といえば3年4ヶ月。この議論は専門家のご意見が必要です。
 景気回復の秘策として期待されているのが「ニューディール政策」です。世界恐慌後の公共事業による雇用創出です。公共事業といえば、日本では無駄な道路、ダム建設がイメージされますが、エコをテーマとしたもの、石油に変わるエネルギーによるインフラなど、次世代に向けての公共事業はあるはずです。いずれも国の政策が重要になります。ちなみにニューディール(New Deal)とは、トランプゲームなどで親がカードを配り直すことを言います。政府が新たな経済政策を通じて国家の富を国民全体に配り直すことを意味しています。
 おそらく、アメリカが先に景気回復に向かうと考えられます。次にヨーロッパ、日本はスピードが遅いので、先進国では最後に回復するとなるとやはり2~3年はかかるでしょう。そうなると、2010年もあながち景気回復の時期としては「あり」かもしれませんね。

日曜日, 12月 28, 2008

軽症救急患者から特別料金徴収、全国で15病院

 毎日新聞で報じられていますが、全国15病院で、夜間や休日の「軽症救急患者」から「特別料金」を徴収しているそうです。その金額は1,000円未満のところもあれば、8,000円以上のところもあります。この「特別料金」は健康保険の対象外で、患者が直接払うことになっています。
 なぜ、こんな「特別料金」が発生するのか、いや、病院側が徴収するのでしょうか。それは、緊急性のない患者を減らして医師の負担を軽くし、重症者の治療時間を増やすのが狙いだそうです。つまり、病院側が患者さんを選んでいるということに他ならないのではないでしょうか。これは逆効果でもあり、重症者も受診を控える懸念もあるそうです。これもひとえに、小泉改革の一端、医療制度改革による病院側の悲鳴の表れのような気がします。国の制度に問題があり、病院側だけの問題ではないですが、短絡的な発想だけは避けてほしいです。「特別料金」徴収は、「貧富で医療に差がつく」との疑問もあり、このため幼児から徴収しないなどの配慮も出てはいるようです。
 毎日新聞の取材では、2008年中に特別料金を導入した病院と、来年の導入を決めた病院が全国で14カ所、他に2006年に導入した病院が1カ所、導入予定だが時期未定の病院が2カ所あるそうです。
 12月から3,990円を取っている前橋赤十字病院は「軽症者の増加で、重症の患者を断る率が増えたため」と説明していますが、一方で病院の収入は年間1億円程度減る見通しだそうです。特別料金の3,990円では、従来なら健康保険から受けていた時間外料金より安い場合もあり、患者減も見込まれるためだそうで、収入を減らしてまで特別料金をもうけて軽症患者を断るのは、減収覚悟で医師の負担減を目指すためだそうです。現場のせっぱ詰まった事情がかいま見られます。他の病院も事情は同様のようで、「特別料金」徴収の導入で患者が減ることも確かです。徳島赤十字病院は2008年11月の時間外救急患者が約1,500人、2007年11月より4割減ったそうです。
 埼玉医大総合医療センターは昨秋、8,400円の徴収計画を公表しましたが、徴収を始めないのに患者が約3割減ったそうで、当面、徴収開始を見送っています。現実として、夜に高熱が出たが来院せず、朝になって入院した子どもが2人いたそうで、手遅れにならずに済んだが、いずれも親が「夜はお金(特別料金)を取られる」と誤解していたとのことです。結局しわ寄せは患者さんにくるのです。
 岡山赤十字病院は、重症者の受診遅れを心配し、自分で病状を訴えられない6歳未満からは、特別料金を取らないことにしました。患者には「診察して緊急だと分かれば、取らない」と話し、受診を過剰に控えないでと呼びかけているそうで、何のための制度なのか、もう現場はめちゃくちゃ状態です。
 医療問題、医師不足や医療側の職場環境、ひいては患者さんが受ける医療の質の低下などは、国が全面的に何とかしなければならない大問題です。個々の病院だけの対応には限界があります。いい加減、国は真剣に医療問題に目を向けてほしいです。今からでも小泉改革の医療制度改革の検証を、現場に即した形で見直してほしいと切に願います。

土曜日, 12月 27, 2008

米クリスマス商戦軟調、新車販売台数も減少

 アメリカでの景気回復の減正念場であるクリスマス商戦は、小売売上高は前年同期比6~8%減だったそうです。クレジットカード大手マスターカード・ワールドワイド傘下の情報サービス会社、マスターカード・アドバイザーズは26日、11月1日から12月24日までの小売売上高の調査結果です。ガソリン価格が下落した影響を除くと前年同期比2~4%減です。インターネット通販の売り上げは2%減にとどまったものの電化製品が26%減、衣料品が19~21%減などと大きく落ち込んだようです。一方、米ネット小売り大手アマゾン・ドット・コムは26日、2008年のクリスマス商戦は1995年の創業以来「(クリスマス商戦のなかで)過去最高となった」との見方を明らかにした。
 このクリスマス商戦の時期は、全米の小売売上高の約3割を占めるるといわれています。Citi Bank の債務保証政策なども11月の第三週に発表したのは、このクリスマス商戦に絵お経を与えないためのようですが、さすがに、今年は、例年のような勢いはなかったようです。
 マーケットにおいては、クリスマスは特別なときなので、全体に動きは見られないようですが、お正月が特別なのは日本だけです。年明けのマーケットの動きは注目です。

 自動車業界の話題が続いています。新車販売台数が注目されるのは、やはり、世界的に自動車業界は雇用者数も多く、、重要な産業であるからす。日本の12月の新車販売台数(軽自動車を除く)は25日時点で約16万1,000台と2007年の同時点に比べ27%減少し、2カ月連続して3割近い減少となっています。2008年通年では前年比7%減の320万台前後と5年連続の減少になる見通しです。当然、アメリカでも男身は激しく、トヨタの業績赤字がどれほど深刻な問題であるかもわかるでしょう。特にサラリーマンのお給料にとって、トヨタの賃金交渉が全労働者に影響を与えるといわれています。


 

水曜日, 12月 24, 2008

過去最大の巨額投資詐欺事件

 バーナード・マドフ(元ナスダック・ストック・マーケット会長)が、過去最大の詐欺事件の容疑者です。総被害額は約4兆5,000億円(1ドル=90円換算)、世界の名だたる金融機関や著名人がだまされています。最大の被害を受けたとされるのが、欧州第二位でスペイントップの銀行、サンタンデールで、約2,700億円の被害。スペインは国内第二位の銀行ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリアが615億円の被害。スペインという国をも揺るがすことになります。
 そのほか、欧州第一位の銀行、HSBCが約1,350億円の被害、GMの金融子会社GMACの元会長が運用するアスコット・パートナーズが約1,620億円の被害を受けています。日本では野村ホールディングスの約275億円、あおぞら銀行、住友生命、三菱UFJ、三井住友海上が被害を受けています。ここで注目は、アメリカの名だたる銀行は被害を受けていないことです。
 さらに特筆すべきは、あのスピルバーグが設立した慈善団体やユダヤ人関連に寄付しているグループも閉鎖を強いられるくらいの被害を受けています。そのほか多くのヘッジファンドもその被害者となっています。
 マドフ容疑者が利用していた監査会社は3人で運営されていたらしく、西武鉄道事件を思い出します。SEC(証券取引委員会)の検査に問題はなかったのか。そのマドフ容疑者は保釈金1,000万ドルで保釈されています。

月曜日, 12月 22, 2008

巨大保険会社、国際監督に穴

 朝日新聞にこのようなタイトルの記事が載っていました。世界規模で営業している保険会社は、国ごとでの共通の監督基準がないことを指摘しています。つまり、国ごとにルールが違うので、そこに大きな穴、それを利用して何でもできるといった内容です。保険会社の代表的な監督指標に「ソルベンシー・マージン(保険金支払い余力比率)」がありますが、これも算出方法は各国バラバラです。
 特に、デフレ崩壊後の株価回復期から、保険会社の販売の中心であり、銀行や証券会社の販売の中心の「変額個人年金保険」に関して問題定義をしています。「変額個人年金保険」は、保険料を「特別勘定」というファンドで運用する商品で、商品によっては元本保証を約束しているものもあります。運用が悪化すればその穴埋めは会社が行うことになっています。「責任準備金」を増額することで、引き当てます。
 この引き当てに関して例外規定があるそうです。「再保険」という形で、別の保険会社にリスクを移すことで、穴埋めのための積み増しは免除されるというものです。外資系の大半がこの規定を活用しています。朝日新聞の記事には、免除額が載っていて、アイエヌジー生命(蘭)2,587億円、ハートフォード生命(米)2,074億円、マニュライフ生命(加)2,034億円(いずれも2008年9月末)となっています。
 なかでもハートフォード生命は、この再保険の引受先が、自社のグループ傘下の米国再保険会社が引き受けていることを問題と提議しています。ハートフォード側はリスクの一部は再々保険や金融工学を使ってグループ外に分散していると説明しているようですが、米国は日本より責任準備金が少なくてすみ、再保険は単なる引き当ての節約が目的と指摘しています。つまり、リスク分散の手段である再保険が、使い方によってはリスク隠しになるのではと疑問を投げかけています。
 各国のルールが違うということは、規制の緩い国に傘下の再保険会社を設立し、規制の厳しい国の保険契約のリスクを緩い国側へ移すことも可能です。英領ケイマン諸島などに再保険会社を持つグループもあります。
 巨大保険会社が破綻すれば、世界中の契約者が不利益を被ることになり、リスク料や自己資本量を可視化する国際基準が不可欠と指摘しています。

 HPのトップコラムにも書いたことがありますが、日本人は自分で自分を真zもることより、人に依存する傾向があるようです。それは運用という風土が育っていないと言うこともありますが、国や社会に関しての絶対的な信用があるようです。もちろん、信用される側もきっちりと対応してくれていると思いますが、昨今はその信用も揺らいできています。その他人任せの最たるものが保険加入率の高さです。何かあれば保険に頼るという風潮です。「保険」という名前になにか安心感があるのでしょうか。本来の保険の機である死亡保障でリスクヘッジすることは、過度でなければよいと思いますが、年金などの自分の陣sで胃を100%ゆだねるのはどうかと思います。本文の内容と少しずれますが、保険はポートフォリオの一部にしましょうね。

日曜日, 12月 21, 2008

国の借金は、国民一人あたりに換算して約455万円に達しました

 財務省が20日発表した2009年度の国債発行計画では、過去に発行した国債の借り換えを含む国債発行総額が132兆2,854億円で、2009年度末の国債発行残高は約581兆円となり、これは国の税収の約13年分に相当します。この結果、国と地方を合わせた借金の総額である長期債務残高は2009年度末で804兆円を超えることになります。国内総生産(GDP=約510兆円)の1.6倍に上る巨額の借金で、国民1人当たりに換算すると約455万円に達し、日本の財政は先進国で最悪となります。発行総額の内訳は、借り換え分が90兆6,614億円、新たな借金となる新規国債の発行額が33兆2,940億円、財投債を8兆円発行します。
 国債発行残高が急増したのはバブル崩壊後の1990年代に日本経済が低迷を続けたことが最大の理由です。景気回復策としての減税の傍ら、雇用創出などの目的で大型の公共事業を増やし、税収が伸び悩む一方で、支出が大幅に増えることになりました。その穴埋めとしての結果、大量の国債を発行することになったのです
 国債発行が殖えると、国債の利払い費用が増えることになり、政府にとっての“固定費”が増えることになります。これは、国民の福祉・教育の向上、経済の活性化など政策的な支出に回せるおカネが減ることにもなります。半年に一回の利払いや10年後の償還(満期金の支払い)が確定することで、ツケが後世に残ることになります。景気の悪化で税収が大幅に減ったときには、支出を賄うためにさらに国債を大量に発行しなければならなくなり、国自身が借金地獄の悪循環に陥ることになってしまいます。

土曜日, 12月 20, 2008

2009年度の一般会計は88.5兆円

 家計で言う「収入」は、国の場合は税収がそれになりますが、その額は46.1兆円で、家計で言う借金、国の場合は国債発行となりますが、これが33.3兆円、一般会計総額88.5兆円に対して37.6%は借金ということになります。
 、国または地方公共団体の官庁会計において、一般会計とは別に設けられる、独立した経理管理が行なわれる会計があります。特別会計と呼ばれる物です。国民年金や道路整備など、それぞれの名目で一般会計とは別に組まれる予算のことで、これが一般会計の数倍の規模であることが問題とされています。
 各省庁の埋蔵金やこの特別会計など、まさに、我々には見えないところでうごめくお金も私たちの税金なのです・国家予算が88.5兆円がどうというのも大事ですが、この表に出てこない、ガラス張りになっていないお金を掘り出さない限り、日本の借金体質は改善されないのではと感じます。国債を33兆円も新規発行するのが現状の経済状況から仕方がないということですが、消えた年金を埋蔵金で穴埋めしているぐらいですから、将来のツケとなる国債発行という安易な方法ではなく、もっと会計そのものの見直しが必要かと思います。
 小泉さんは確か「三方一両損」といっていましたよね。痛みに耐えているのは、損をしているのは国民だけのような気がしますがね。

金曜日, 12月 19, 2008

駒澤大学、運用損失の話題について

 朝日新聞に、駒澤大学の資産運用での損失を報じています。駒澤大学は、永平寺などで知られた曹洞宗に属する仏教系の大学です。同大学の運用手法はデリバティブ取引です。
 デリバティブ(derivative)の意味は「派生的、副次的」という意味です。従来からあるものから発生する二次的なものというものです。たとえば「天候デリバティブ」というものがあります。これは保険と金融が融合したもので、一定の気象条件(気温や降雨量など)を基準として、事前の取決めた数値を上回る(下回る)と補償額が支払われるというもので、屋外イベントを企画する場合に用いられます。
 天候デリバティブでは、対象が天候に関する数値ですが、金融の世界では、株式、債券、金利、外国為替(通貨)などが対象となっています。為替の場合、円高になれば利益が得られる、円安になれば利益が得られる問い言う感じです。「金融派生商品」とも呼ばれます。今回の駒澤大学のデリバティブ取引の対象はこの通貨だったようです。
 少ない元手で大きな収益を得るレバレッジ効果もあり、将来の見通しが的中すれば高収益が期待できますが、見通しが外れれば大きな損失となります。今回の駒澤大学の場合は、損失が発生し、約154億円の損失となったと報じられています。そして、損失穴埋めのため、キャンパスの土地建物や、野球部のグラウンドを担保に110億円の銀行融資も受けているとも報じています。駒澤大学の昨年度末の資産総額は約940億円、うち現預金は127億円だそうです。駒澤大学のほかに名古屋市の南山学園が約34億円、豊橋市の愛知大学が約28億円の損失を出したそうです。
 少子化などから、大学運営に関しての環境の変化に対応すべく、独自に運用手法を駆使して収益を確保使用という努力の表れと思われます。大学が運用を行うことが悪いこととは思いません。アメリカでは、以前より大学が独自に運用を行っていて、リスク商品、たとえば商品市場や不動産市場、オルタナティブ取引などで積極的に運用を行っています。
 現在の金融市況により、どうしても運用成果が得られない場合もあります。大学は今後、プロの運用マネージャーをおくなど、運用セクションを正式に確立するのがよいと思います。これは大学だけに限らないことかと思います。学費や会費で成り立っている仕組みのものなどは、運用という手法を、積極的に、しかし、専門のプロフェッショナルを、少々お給料が高くても抱え込んで、収益確保をねらっていくのはよいことだと思います。一般企業も同じです。本業が厳しい中、運用により収益を確保することは決して真以外ではないと思います。
 こういう報道が、運用は悪というイメージでとらえられないでほしいと思います。
 
 

木曜日, 12月 18, 2008

為替の動きは、女性が求める理想の結婚相手像に似ている?

 米国がゼロ金利政策に踏み込んだことで、日米金利差が逆転、一気に円高に進んでいます。日銀の金利引き下げをマーケットは叫んでいると報じられています。
 為替とは、異国間のお金の動きを表すもので、常にお金は低いところから高いところへと移動します。もう一つは安全な方へ移動します。そして強い物に惹かれていくのもお金です。その強さは経済力です。言い方は妙かもしれませんが、女性の男性への結婚条件のようなものでしょうか。「高収入」「安定収入」「男の強さ」ですかね。
 USD、EUR、JPY、GBP、AUDなどの大国間でのお金の動きは金利などの要素が強いですが、新興国などでは金利の高い国にはありますが、その国の安全性(単に紛争の有無だけでは経済規模など)から必ずしもその国の通貨が買われる(高くなる)とは限りません。FXで儲けようというのは話が別です。
 米国では、長期経済の低迷から、レーガン大統領が、歳出削減・大幅減税・規制緩和策・高金利政策を打ち出し「小さな政府」を目指した、いわゆる「レーガノミックス(これは造語です)」と呼ばれる政策で、米国の金利を引き上げてドルを呼び込み、ドル高へと誘導したのが、金利と為替の関係をよく表した例と言えるでしょう。
 また、金利では逆の話もあって、日本がずっとゼロ金利を継続しているとき、日本でお金を借りて海外投資をする、いわゆる「円キャリートレード」により、円がずっと安くおかれていたという現象もあります。
 本来は強い経済に対してその国の通貨は高くなるのですが、今は日本円が高くなっていますが、決して日本経済が「強い」という訳ではありません。他の国が日本より体力を失っているということでしょうか。経済を推し量るのに、嘗ての常識は通じなくはなってきていますが、基本はしっかりと押さえておいて方が良いでしょう。
 どこまで円高が進むのか、日銀の政策次第では為替の行方はわかりません。ただ、このままいけば、アメリカは大量の赤字国債を発行するので、ドル暴落は免れないと思われます。必ずや何か仕掛けてくると思われます。多くの経済学者やアナリストが言っているように、対USDでは「短期は円高、中長期では円安」という見方が良いのでしょう。どこまで円高が進むのか、円安に向かうのはいつなのか、どこまで円が下がるのか、その鍵はオバマ次期米国大統領が握っているような気がします。

水曜日, 12月 17, 2008

米国利下げのニュース、日米金利逆転

 各紙、米国の利下げのニュースを取り上げています。米連邦準備理事会(FRB)は16日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、最重要の政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、現行の年1.0%から0.75―1.0%の追加利下げとなる、年0.0―0.25%に設定することを全会一致で決定、即日実施しました。これは、歴史的な超低金利政策となります。FF金利の誘導目標が年0.0―0.25%まで下がったことで、日米の政策金利は逆転。FF金利は、日銀の無担保コール翌日物金利の誘導目標(年0.3%前後)を下回ることになります。
 FOMC終了後に公表した声明は「今後、数四半期にわたり大量の政府機関債や住宅ローン担保証券(MBS)を購入する」と表明。金融政策の手段を金利誘導から市場に潤沢に資金を供給する「量的緩和」に移行することを示唆しました。

 16日のニューヨーク外国為替市場で円相場は大幅に4日続伸。前日比1円65銭円高・ドル安の1ドル=88円95銭-89円05銭で取引を終えました。米大幅利下げで日米の金利差が逆転したことが、円買い・ドル売りにつながったようです。 米政策金利は日本(0.3%前後)を下回る水準になるため、日米の金利差を意識した円買い・ドル売りが優勢となった模様です。
 FRBの米長期国債や住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れや量的緩和への移行により、市場ではFRBは積極的に景気刺激に動く姿勢を示したと受け止められましたが、中期的には米景気やドルにプラスとの見方が多い中、この日は足元の金利差に着目した取引が活発だったということです。

 利下げは株価にとってはプラス材料ですが、低金利は自国の通貨の下落要因で、国債にも影響があります。FOMCの声明文では、インフレ懸念はないとの判断、さらにインフレは一段と緩和するとの見方から利下げに踏み切ったと報じています。
 景気回復のために、量的緩和、つまりは、市場でお金の流通を促すために、長期国債の買い入れ、さらにはもゲージ担保証券(MBS)の大量買い入れも行うと表明しています。、企業や個人のリスクのもとを国が買い入れると言うことです。
 クリスマス商戦と併せて、これで景気回復に弾みがつくことをねらっているのでしょう。当面は為替は円高に振れるでしょうが、米国の状況によれば、再び、ドル高への期待はあると思われます。

月曜日, 12月 15, 2008

派遣2009年問題

 派遣労働とは、労働者が派遣元企業と契約した上で、派遣先企業の管理下で働く雇用形態を指します。製造業では当初、労働条件を保護する観点から派遣が禁じられていましたが、雇用の確保や雇用形態の多様化などの観点から2004年3月に労働者派遣法が改正され、これにより製造業における派遣も解禁となりました。
 製造業の場合、派遣期間の限度は3年となります。期間に限度を設けているのは、派遣労働が建前上「正規雇用などへの繋ぎ」と位置付けられているためです。2004年の改正法では、製造業の派遣期間を暫定で最長1年と定めましたが、2007年3月に最長3年に延長して現在に至っています。この期間を終えた派遣労働者が同じ職場に就こうとする場合、同法に基づく指針により3ヵ月以上のクーリング期間(その派遣先・業務で働かない期間)を置く必要があるとされています。
 実はこのとき派遣労働者となった人々は、来年一斉に派遣期間を終えることになります。企業側から見ると、クーリングを行う3ヵ月間、製造ラインから派遣労働者がいなくなる問題が起こります。これが「派遣2009年問題」です。
 バブル崩壊後は「リストラ」の名の下に首を切られました。ただ早期退職という名目で、いくらかのお金が支給されて会社を去っていますが、今の、俗に言われる「派遣切り」では、まさに裸で追い出されるようなものです。
 そもそも派遣という制度を、日本企業が積極的に導入するようになったのは、アメリカの年次改革要望書によるものだと言われています。日本の経済成長をおそれたアメリカが、その日本の成長の源となっている終身雇用と年功序列、頑張れば、出世して給料が増えるという、従業員のモラルをおそれ、労働機会の自由の名の下に、派遣の積極的受け入れを推し進めるよう、制度改正を迫ったと言われています。
 

気になるニュース「サイゼリア153億円の損失」

 ちょっと気に気になるニュースがありました。ファミリーレストラン大手のサイゼリヤが10日、、多額の評価損が見込まれていたBNPパリバ証券とのデリバティブ(金融派生商品)契約を解約したと発表、これにより153億円の損失が確定したとの報道です。
 外食を営む会社がなぜ為替デリバティブに手を出していたのでしょう。サイゼリアは、オーストラリアからハンバーグなどの加工食品や牛肉などをレストランで使用するために輸入していました。日本企業が海外から大量の原材料を輸入する際には、収益が最終的に確定するまでに為替変動によって損失してしまう可能性があります。そのため、この為替リスクを避けるために行うのがデリバティブ取引です。
 デリバティブ取引とは為替変動の動きをある程度推測した上で、将来における取引を先取りし、価格変動リスクを下げるものです。サイゼリアでの為替は「オーストラリアドル/円」です。最近のオーストラリアドルの大幅下落で何となく見えてくるでしょう。
 サイゼリアの契約では、為替相場が一定水準より円安で推移すればメリットになるが、逆に円高に進むと損失が膨らんでしまうというものだったようです。過去5年間、豪ドル/円は円安に推移していたので、当時は誰もがこの判断を選択したのかもしれません。しかし今年7月時点では100円近辺で推移していた「オーシトラリアドル/円」は、8月に入ると世界金融危機の影響などで急激に円高に変動し、現在では60円程度。なんと40%も円高に進んでしまい、最終的に153億円の損失を出してしまったということです。企業(BUPパリバ証券)の想定通りに為替レートが動かなかった場合には、デリバティブ取引はリスク回避どころか、巨額の評価損を計上する可能性もあるということです。
 オーストラリアドルを巡るこういった話は良く耳にします。なにせ、2000年のシドニーオリンピック以来、ずっとオーストラリアドルは上がり続け、国内金利も上昇し、FX取引をしている人のおいしいスワップ金利ねらいのターゲットでしたからね。
 ここにきてオーストラリアドルにつっこんで大損をした人の話をよく聞きます。確かに証券会社も盛んにBNPぱりば証券同様の勧誘をしていました。投資をしていない人に対しても、銀行がオーストラリアドルでの定期預金をたくさん勧誘していました。
 この話は、私たちの投資行動をよく表しているような気がして目にとまりました。デリバティブ取引が悪いと言うことではありません。
 プライム・ブローカレッジという業務があります。簡単に言えばヘッジファンドの管理による手数両取りですが、おもいデリバティブ取引などを行うヘッジファンドからお金をいただく物で、BNPパリバ証券はバンク・オブ・アメリカの株取引のプライム・ブローカレッジ業務をいただいたそうで、米国において、主要なプライム・ブローカーになったそうです。

人員削減の嵐、リストラっていやな言葉

 ソニーの世界規模16,000人の人員削減(正規雇用者8,000人、非正規雇用者8,000人)は、日本中にショックを与えましたが、名だたる企業が相次ぐ人員削減を表明しています。トヨタは、すでの期間労働者の大幅削減を打ち出しましたが、キャノン、コマツ、ホンダ、東芝、いすゞなど、デフレ突入時に世の中に蔓延した「リストラ」という言葉が、再び人々を恐怖に陥れています。
 デフレ時代は正規社員から非正規社員への様変わりが多く、雇用数全体では大きな変化はなく、企業が支払う人件費が大幅に削減されたと言われていましたが、今回はその非正規社員という人間が企業からいなくなるという構図になっていて、契約期間中でありながら、一方的に契約が打ち切られるという状況のようで、かなり深刻です。小林多喜二の「蟹工船」がブームになり、共産党員が増えるのもわかる気がします。
 雇用はその国の経済を支えるバロメーターでもあり、かなり深刻な状況と思われます。大学生の内定取り消しなんて最悪ですよね。世界恐慌後の雇用創出策としての公共事業を増やす。いわゆる「ニューディール政策」のような対策が必要と叫ばれています。公共事業といっても、ダムや道路、無駄な施設という、ばかげたことを繰り返さないでほしいですが、自民党内では一部の人が、公立学校の耐震補強を行うのはどうかという意見も出ています。病院施設の充実、地球環境問題からエコプロジェクトなど、オバマ次期大統領とゴア元副大統領が行おうとしているエコ事業なんかはどうでしょうか。
 アメリカ経済は失業率の低下は、即マーケットに影響する大問題ととらえています。自動車業界を守るのも雇用の安定が何より何でしょう。日本ももっと労働者に優しくしないと、しっぺ返しを食らいますよ。
 

金曜日, 12月 12, 2008

税制改革の話題が新聞を踊る時期です

 消費税率引き上げが話題になっています。そもそも景気対策で給付金や企業支援策を検討しているそばから3年後をめどに(具体的な引き上げ時期は明言していないが)、消費税率を引き上げるとなると、今の景気対策用の政策を受け入れると、別の形でツケが回ってくると言う印象にとらえられます。政治家が給料をカットして景気対策に回しますとか、政府保有の土地等の資産を売却して景気対策に回しますとか、あるいは今までのプール金(埋蔵金?言葉が悪ければ緊急予備資金)を活用して景気対策を行いますと言えば、素直に、手放しで喜んで、効果も絶大だと思いますがね。
 毎年この時期に来年度の税制制度を決めます。まずは10月~11月頃に、内閣総理大臣の諮問機関である、民間の有識者による政府税制調査会(政府税調)が、大まかな骨子を作成し、それをもとに、11月~12月にかけて、自民党(与党)税制調査会(自民党税調)が、具体的な数字を各省庁とすりあわせて「税制大綱」として最終決定を行います。具体的には、自民党税調の「税制大綱」を国会に出して、来年の通常国会(年明け召集の国会)で審議し、多数決で採決決されます。嘗て、自民党税調が覆されたことは一度もありません。内閣総理大臣の諮問機関である政府税調よりも、与党で作る自民党税調の方が上なのです。
 それで、今、この時期に、消費税率の話題が登場してくるのです。この税制制度に盛り込まないと、国会でも審議ができず、税率引き上げはできなくなります。席になる与党を訴えたいために、単なるばらまきではなく、その財源までしっかりと確保しようと言うことなのでしょうが、アメリカの公的資金投入もそうですが、すべて我々の税金を使うと言うことをしっかりと認識しましょう。赤字国債発行だて、その償還(利息の支払いや借金の返済だって)は、私たち国民が行うのです。
 いつも、税金は支払うときだけ、たとえば確定申告の2~3月だけ意識しますが、今が一番大事なときです。しっかりと、政府の行う税制改革をチェックしましょう。

火曜日, 12月 09, 2008

すべてのリスクがアメリカ国に、そして。。。

 ビッグ3の救済も大詰めを迎えております。おそらく、次はさらなる名だたる企業へも手をさしのべるのでしょう。公的資金は、その法的解釈を次々と変えて、本来の銀行への支援が業務であったFRBは、ベアー・スターンズへの支援をきっかけに証券会社へ、AIG支援により保険会社へ、GMの自動車ローンを引き受けているGMACへの支援などでノンバンクにも、そしてビッグ3本体への支援、つまりは一般企業にも手をさしのべることになりました。それも資金援助だけでなく、Citi Bank の債務保証など、不良債権や企業発行のCPの買い取りという「ウルトラC」まで登場しました。挙げ句の果てには、全米の預貯金を全額保証、住宅ローンの借り換え支援など、個人にまでも、支援の手をさしのべました。これで、サブプライムローン問題から始まった金融恐慌(信用不安)の収束へと進んでいくのでしょうか。
 ということは、すべてのリスクは、金融機関や民間企業などから一手に国に移っていくことになります。ここで新たにアメリカという国は大丈夫かという議論になってきます。なにせ、こんな大規模の公的資金の導入は、すべて赤字国債の発行でまかなうことになります。もっとも、不良債権の保証は、債務が不良債権化してのことで、すぐにはお金が動くことでは無いですが、これだけの多額の国債を発行するとなれば当然ドルは大暴落の危険性をはらんでいることになります。
 そこで、最近ささやかれているのがカーターボンドの発行です。カーターボンドは外貨建ての米国債で、同じアメリカの国債を買うにしても、その国の通貨で購入することになります。たとえば円建てであれば、円で米国債を買うことになり、円という通貨がアメリカに渡ることになります。そして、その円を売ってドルを買い戻せば、ドルの暴落は防ぐことが出来ると言うことになります。ユーロ建てなども登場してくるのでしょうか。それを発行するタイミング、各国への根回しも含め、4月に行われる二回目の金融入サミット(G20)に場となるのでしょうか。 そうなれば円安へと為替の流れは変わり、日本の株価にとっても株価上昇の要因となります。
 果たしてこうなるかどうかはわかりませんが、アメリカという国がただで転ぶとはとうてい考えられません。きっとなにかウルトラCを考えているでしょう。

月曜日, 12月 08, 2008

ビッグ3救済、どうなる?2

 米自動車大手、いわゆるビッグ3の救済策として、ホワイトハウスと米議会とで、150億ドル(1兆4,000億円)の資金支援投入が合意したようです。このあと、議会での法案成立へとなるのですが、世論の反発から成立するかどうかが不透明のようです。
 金融安定化法案を政府が出したとき、つまり、  金融機関(GMなどの一般企業への融資も盛り込まれている)に公的支援を行う法案を、下院が否決した経緯があります。金融安定化法案は英語表記では「TARP(Troubled Asset Relief Program)」です。なぜトラブルを抱えた資産への税金投入しなければならないのか。一般市民によるデモも発生したぐらいで、政治家も世論を無視できないでしょう。
 今回も、自家用ジェットで公聴会に来るようなトップが経営する企業に、なぜ税金を投入しなければならないのかという世論への配慮もあるでしょう。法案が成立するかどうかは不透明です。オバマ次期大統領は、ビッグ3は大きすぎてつぶせないような発言もあり、経営再建できるか監視するため、ホワイトハウス側は米商務省内にアドバイザーを置き、リストラの進ちょくを監視する仕組みを想定しているようです。さらなるリストラの要求です。

オバマ氏、1950代以降最大の「新ニューディール」推進

 バラク・オバマ米次期大統領は250万の雇用創出のため、来年1月20日の就任直後に、1950年代のアイゼンハワー大統領以来最大規模となるインフラ投資を行う計画を表明しました。オバマ次期大統領は、道路や橋の補修や拡充、連邦政府の建物を省エネ型へとリモデリング、学校の建物の改築や補修、教室への新しいコンピュータの配備、超高速インターネットの拡充などを主な投資内容として提示しました。特に、「インターネットを作り出した国である米国が、超高速通信網の活用度の面では世界15位というのは受け入れがたい」として、情報通信や教育環境への投資に米国の競争力がかかっていると強調しました。
 景気回復のための財政出動、公共事業の創世で、かつて世界恐慌後の景気回復策として、テネシー川流域開発などを行ったのがニュー・ディール政策です。オバマ次期大統領は、新ニュー・ディール政策とも呼ぶべき政策が期待されているようです。

金曜日, 12月 05, 2008

ヨーロッパ各国の利下げの結果はどうなる

 欧州の主要中央銀行(ECB)が一斉に追加利下げに踏み切りました。政策金利を現行の年3.25%から0.75%引き下げ、2.5%にすることを決めました。0.75%の利下げは1999年のユーロ導入以来で最大の下げ幅になります。イギリス中央銀行のイングランド銀行は、政策金利を現行の年3%から1%引き下げ、57年ぶりに過去最低水準の2%にしました。スウェーデン中央銀行も過去最大の引き下げ幅となる1.75%の引き下げで年2%としました。
 企業の資金需要が高まる年末を迎え、大規模な金融緩和に踏み切ることで経済悪化阻止に全力を挙げる姿勢を明確にした。年末に向けて、もっと市中でお金が回るようにと、金利を下げます。また、株価にとっても利下げは、一時的な上昇圧力にはなります。
 現在アメリカの政策金利が1%、日本が0.3%、世界中の金利が下がっている状況で、こういうときは為替の動きが微妙になってきます。もともと金利の高い通貨が買われる(高くなる)のですが、これだけ金利差が知事丸と、また、急激な利下げになると、資金はより安全な通貨へとシフトしていきます。結果、消去法で円が買われているという感じなのでしょうか。
 世界の基軸通貨であるアメリカドルは円以外の他の通貨に対して高い状況です。ヨーロッパの経済の痛みも深刻なものです。利下げだけでは今の経済は立ち直れないことはマーケットも理解しているようです。更なる景気対策が各国に望まれます。次の来年4月の金融サミット(G20)までは一進一退の状況が続きそうです。

木曜日, 12月 04, 2008

REITが厳しい

 日経新聞に「REITを一斉調査」という記事が載っています。世界的金融不安により、特に不動産業界への打撃は大きく、REITにまで影響を及ぼしています。REITは上場不動産投資信託で、株や債券と同じ有価証券です。分配金が魅力で買われている投資信託ですが、マーケットの下落の波をもろにかぶって、10月には、ニューシティ・レジデンス投資法人が、業界初となる民事再生法の適用を申請しています。
 世界的金融不安は、金融機関への信用不安により資金の流れが滞ることによるもので、REITは公募融資や銀行からの借入を元にオフィスやマンションを購入して、賃料収入を投資家に配当する商品です。資金繰りの悪化は、REITの根幹を揺るがす出来事です。不動産業などでは」、黒字決算や上場したばかりの会社でも、ほんの一部の資金調達の問題で破綻に追い込まれています。
 金融庁は、資金繰り難に陥るREITの調査に乗り出したのは、ちゃんと借り換えができるかどうかが不透明であることから、実施し始めたようです。社債に相当する「投資法人債」の償還期限が迫っているREITも調査対象です。
 現在、REITは新規部件の購入を控えています。そもそも銀行がお金を貸さないのですから。REITの魅力は少額でだれでも不動産のオーナーになれるというもので、借入(他人資本)により、自己資本の何倍ものファンドを形成するレバレッジ効果により、大きな物件を購入し大きな収益を上げるというところはヘッジファンドに似ていますね。
 信用不安はいろんなところに影響を及ぼしています。

水曜日, 12月 03, 2008

ビッグ3救済、どうなる?

 雇用統計の発表があります。失業率の悪化はマーケットに多大な影響を及ぼします。アメリカの投資家は、この失業率には神経をとがらせています。労働力はイコールその国の経済を牽引する力です。
失業率は、「失業者÷労働力人口×100」で表します。景気低迷期には発表直後に金融緩和に踏み切ることもあったほど重要な指標です。政治的に利用されることもあるようで、それだけ重要ということなのでしょう。
 いま、アメリカでは自動車業界大手、いわゆる「ビッグ3」と呼ばれる企業の経営責任者への公聴会が話題になっています。GM、フォード、クライスラーです。前回の議会公聴会の時に自家用ジェットで登場し、非難を浴びていました。FRB、日本で言う日銀ですね、ここが直接ビッグ3うぃ救済するかどうかの判断となる彼らの改善策基づいて議会が救済を承認するかどうかが注目です。
 そもそも何で税金を使って一企業を救済するのか。「大きすぎるからつぶせない」の論理なのでしょう。大きすぎるの一つが、もし破綻したら、たくさんの人が職を失うからです。それだけ多くの人を抱えています。
 ビッグ3が抱える雇用者(正規・非正規)は約255万人、米国内雇用者全体比率で1.9%になります。全米自動車労働組合(UAW)が、ビッグ3の従業員などからなるアメリカ、カナダなどの組織で、活動会員約64万人の巨大組織です。
 シティバンクも世界で営業する巨大銀行で、これも大きすぎてつぶせない論理なのでしょうか。今週はこのビッグ3を巡るニュースは注目です。

火曜日, 12月 02, 2008

ヘッジファンドの資金流出、10月は過去最大の6兆円

 世界の投資家の資金を集めて株式の短期売買などで高い運用利回りを狙うヘッジファンドから、資金流出が加速しています。新規の投資額から解約額を差し引いた流出額は10月に約620億ドル(約6兆1,000億円)にのぼり、月ベースで過去最大となりました。世界的な金融危機と株価急落を受け、投資家がファンドの解約を急いだためです。シンガポールの調査会社ユーリカヘッジが世界の約8,000のヘッジファンドを対象に集計、資金流出は3カ月連続で、市場混乱が広がった9月(420億ドル)と10月の2カ月間で1,000億ドルを超えました。
 ヘッジファンドは原則、決算時期にしか解約できない商品が多く、そのほとんどが11月、12月が決算月のようです。ヘッジファンドの世界残高が200兆円を大きく割り、ジョージ・ソロスも、年初(約200兆円)から半分以上は無くなると発言しています。ヘッジファンドがある程度落ち着けば、株式市場での売り圧力も弱まると思われます。
 世界金融恐慌の恐怖は証券化商品の残高が不透明なことで、その証券化商品の担い手がヘッジファンドです。Citi Bank への直接,政府が不良債権保証を行う、GMなどのビッグカンパニーの救済が決まれば、12月中旬までは一進一退の動きでしょうが、世界恐慌も収束していくでしょう。次は、リスクを一手に引き受けたアメリカの危機説をどう克服するかでしょう。

月曜日, 12月 01, 2008

インドテロについて

 インド・ムンバイで同時テロが勃発、多くの犠牲者を出してしまいました。パキスタンが関与しているのではとの報道がありました。パキスタンで思い出すのは「核開発の父」と呼ばれたアブドル・カディル・カーン博士です。闇の市場と呼ばれ、リビアや北朝鮮とも関わりがあるようで、アメリカもマークしているようです。今回のテロが、新たな対立構造を生まなければよいのですが。インドのテロが起きた日に、ニューヨークダウは上昇したというのは、戦争とアメリカ経済なんてうがった見方は良くないですかね。
 イラク戦争、イランの緊張と、中東を中心に対アメリカとの関係が気になるところですが、次は舞台が中央アジア、アフガンやグルジアに移っています。戦争の裏には天然資源の利権が絡んでいます。石油を巡る中東紛争の次は、中央アジアの天然資源ウランなどでしょうか。天然資源あるところ戦争の火種ありですか。恐ろしいです。
 パキスタンの立場が非常に微妙です。アメリカのは、今まで、戦争により経済を建て直してきました。オバマ政権になって戦争は回避されたかと思っていましたが、まだまだ心配の種は尽きないようです。