日銀の為替介入は、諸外国の批判があり、効果はないとの評論もありますが、米ガイトナー財務長官をはじめ、おおむね沈黙を保っていますし、効果がないということはありません。為替の水準は1ドル=86円を維持することはできませんでしたが、85円台はずっとキープしています。これを円安水準と呼んでいいのかは疑問ですが、市場は円高一服と判断しているのですから面白いですね。
9月は大方の日本企業の中間決算です。そして、通期業績見通しの修正もあります。ずっと日本企業の業績はよいと判断されていましたが、為替がおっかなくて、なかなか上方修正できずにいました。日銀の介入で、今後も必要に応じて介入を行うとの発表から、大きく円高に振れるリスクは抑えられ、企業としても通期見通しの修正もやりやすくなったのではないでしょうか。それは、株価には非常によいことになります。為替介入は、株価上昇には効果的だったと言えるでしょう。
事前に米欧関係者には根回ししていたと思われます。民主党代表選の翌日に介入したのも、タイミングだったのでしょうか。日銀の独立性を重視するなら、代表選前の介入がよいのでしょうが、いずれにしても効果はあったともいます。
アメリカの長期金利も底をつけて上昇気味になっています。金利は株価に先行しますので、金利上昇は、株式市場にとっては良い傾向なのでしょう。それゆえ、日銀の介入を許したのかとの話もありますが、これで少しはカマーケットの景色も変わって来るような気がします。
副大臣も政務官も決まり、菅政権も本格始動です。ユーロ・ドルでドル安傾向にあり、それはリスク選好度が高まるという表現に変わり、つまり、お金がリスクの大きい市場に動いているともいえます。年末、来年はきっとマーケットは良くなるでしょう(期待)。