水曜日, 9月 29, 2010

すごく身近な話題で、簡単に政界の経済をお話しますと

 私たちは日本にいて、当然のごとく円を使っていますが、日常生活で円以外を目にすることはありません。そりゆえ、世界の経済の動きですら円で考えてしまうことがありますが、地球上でもっとも流通して言えるのドルであり、金や石油の価格もドル表示です。ドルを見て円の立ち位置を考えれば、いろいろと分かりやすくなります。
 ドルをコンパスの針の部分に置き、ぐるっと大きな円周を書きます。その周りにユーロや円や豪ドルなど、世界の通貨を時計のように取り囲んでください、そして、矢印を中心のドルから周りに通貨に向かって引いてください。中心から周辺への矢印ができます。つまり、おかねはドルから、他の通貨へ移動しているのです。これが世界的なドル安です。だから「ドル安・ユーロ高」「ドル安・円高」ということになります。
 ドルが安いということは、世界の投資家が、ドルを持っていても魅力がないと判断しているのです。あるいはドルを持っていると不安だと思っているのでしょう。アメリカの経済の先行きが不安ということでしょう。ではなぜそんなアメリカ経済の先行きが不安と判断したのか。発表される経済指標、それによる中央銀行の金融緩和政策(まだまだ景気は良くならないという表われ)から、ドル投資はやめておこうと思ったのでしょう。
 でも、世界中の国がアメリカ同様に、経済不安な状況なら、ドル投資に魅力がなくても、ほかの国もアメリカ同様に不安なら、投資はしたくないでしょう。そこで、「金」は無国籍通貨ですから、どんな時でも安心です。それに金の延べ棒ですから、持っているだけでいざという時に売ることができるだろう(日本では不動産がこのような売られ方をされていますよね)との思惑からか、金価格は青天井のような感じで上昇しています。金が通貨として判断されているのでしょう。当然、そんな単純な話ではないですが、すごく大雑把に書きました。
 ところが、ドルからユーロに資金がシフトしているということは、ヨーロッパは投資魅力があるとい判断しているようです。あれだけユーロ不安があったにもかかわらず、ユーロを買うという動きが出てきました。資源国である豪ドル、カナダドルも、対米ドルでは強くなっています。この状況は、リスクを取ってでも投資をする価値があると判断されたのでしょう。このような世界的な経済異常状況下でのドルが売られるということは、リスク選好度が高まったと判断されるようです。株式市場でも上昇する手助けにもなります。
 かつては、ドル、ユーロどこへも投資できないときに、日本円は、リーマンショック後の影響を受けていないので、一斉に買われて円独歩高となりました。
 10月からは企業の決算発表があります。大方の企業は、業績は良いようです。そりゃ、あれだけ景気が冷え込み、アメリカは大量のリストラを行えば、企業は軽くなり、前年比なんて統計上よくなるのは当たり前です。中国がインドがまだまだ元気で、オーストラリアやカナダなどの資源国は好調です。ということは資源を必要としているということは、経済が動いているということですからね。今後はお金が株式市場に流れてくる要素は十分あります。
 ドルを買うというのは、アメリカ国債を買うという感じです。ドルが売られるということは、債券からお金が出ていくことなので、金利が上昇することになります。そのお金が、金や銀にもはいていますが、いずれそこからもまわりまわって、株式市場に入ってくると思われます。
 日本でも、介入後の円高更新でも、株価は日銀短観(経営者の景気に対するアンケート)ではまだまだ悪い答えていて、それに伴い中央銀行(日銀)は金融緩和政策を発表しました。日銀の使命は景気を安定的によくすることです。日銀が何か動いたということは、景気に対して良くするのだなと判断できます。景気が良くなるようであれば株を買おうという行動になり、日銀政策発表により株価が上がります。面白いですね。
 とどのつまりは、アメリカを見ることが、世界経済の行方を占うことで、アメリカの長期金利が上昇(債券が売られている)するのかが注目ですね。
 はてさてお分かりいただけましたでしょうか。すごくアバウトの解説でごめんなさい。