金融危機に対応するた連発した救済策や安定化策により、米政府と米連邦準備理事会(FRB)が投融資や保証を通じて潜在的に抱えるリスクは最大で8兆ドル(約760兆円)を超す見通しになりました。日本で言う日本銀行がFRBですが、その中央銀行が一番リスクをとっているのがある意味アメリカのすごいところです。
本来、中央銀行は銀行救済がその役割ですが、ベアー・スターンズ救済により投資銀行(証券会社)に対象枠を広げ、AIG救済で保険会社、さらにクレジットやオートローンのノンバンク、挙げ句の果てには、GMなどの一般企業にも手を差しのばすことになりました。
FRBのこの8兆ドルの潜在リスクは、米国の国内総生産(GDP)の60%にも達しているのは、もし、このリスクが焦げ付くようなことがあれば、想像しただけでも恐ろしいことです。これは間違いなく、ドル安懸念のなにものでもありません。ちなみに、この8兆円は日本のGDPの1.5倍になります。
FRBはアメリカ国内のすべての預金を保証してくれ、金融機関のCP(債券)を買い取ってくれて、住宅ローンの借り換えを助けてくれて、シティグループ、ファニーメイ、フレディマック、AIGにお金を投じることをしています。そりゃこれぐらいの金額にはなるでしょう。その財源は赤字国債の発行です。これも将来のドル安要因です。
さて、オバマ政権は、このブッシュ大統領の大盤振る舞いをどう処理するのでしょうか。