米財務省は15日、主要な貿易相手国・地域の為替政策に関する為替政策報告書の公表を先送りすると発表しました。報告書は同日が議会への提出期限で、中国を為替操作国に認定するかどうかが焦点でしたが、11月中旬に韓国で開かれるG20(世界20か国・地域)首脳会合(サミット)などで為替に関する議論が行われる可能性が高いことから、国際会議での議論を踏まえた上で、サミット後に公表することにしたとみられています。同省は先送りの理由について、世界経済の不均衡是正に向け、G20やアジア太平洋経済協力会議(APEC)などの国際会議を活用して各国の取り組みを促すため、と説明しているそうです。
ここでのポイントは、人民元が高すぎると、アメリカ議会が、かなりのボルテージで非難している中国の問題で、オバマ大統領は、民主党不利といわれている中間選挙を、大敵中国を非難することで、形勢逆転を狙うのではといわれていました。なにせ、今やアメリカの対外貿易赤字は、中国のウェイトが大きすぎるくらいです。
これは、アメリカだけでなく、為替の自由化の国々や、特に新興国でも、中国の元の問題は、アメリカ同様に重要な問題となっています。
中国は、アメリカに言われたから元の切り上げを行うということはしないでしょう。どこかで自主的に、アメリカにすり寄る体面を模索しているのでしょうか、あるいは、周りがそのあたりをお膳立てしてあげなければならないのでしょうか。今度のG20は、完全に主要テーマは為替で、どの国が中国に鈴をつけるのか、それまでは、日本の為替介入は不可能なのか。
まったく、国家間の駆け引きは厄介なものです。