電気事業連合会のホームページには、原子力損害賠償制度については、
「原子力発電所の事故により損害が生じた場合は、原則として電力事業者がそのすべての責任を負うことになっており、原子力事業者は法律に基づき保険会社と損害賠償契約を結んでいます。賠償責任の額が賠償措置額を超えたときには、国会の決議により国の援助が受けられます。」
と書いています。
原子力損害賠償制度は文部科学省の管轄のようで、文科省のホームページには、
「この法律は、1.原子力事業者に無過失・無限の賠償責任を課すとともに、その責任を原子力事業者に集中し、2.賠償責任の履行を迅速かつ確実にするため、原子力事業者に対して原子力損害賠償責任保険への加入等の損害賠償措置を講じることを義務づけ(賠償措置額は原子炉の運転等の種類により異なりますが、通常の商業規模の原子炉の場合の賠償措置額は現在1200億円)、3.賠償措置額を超える原子力損害が発生した場合に国が原子力事業者に必要な援助を行うことが可能とすることにより被害者救済に遺漏がないよう措置する、等について定めるものです。なお、この原子力損害賠償制度については、平成11年にJCO臨界事故を契機として賠償措置額の引き上げを行うなど、諸情勢の変化に対応した改正を行ってきているところです。」
とあります。
海江田万里経済産業大臣は、「東電だけでは払い切れない問題が出てくるから、原子力損害賠償法に基づいて政府の補償額として出すお金も決まっている」と述べたようです。また、東京電力に、避難民一世帯当たり100万円を仮払いするよう指導していることが明らかになりました。
茨城県東海村の核燃料加工施設で、1999年に起きた臨界事故では、150人が3日間避難し、賠償額は計150億円だったそうです。今回の避難者は約8万人とケタ違いで、さらに、放射性物質による農業、漁業の被害も深刻化しています。風評被害を考えると、計算できない額ではないでしょうか。放射線汚染水の海への放出による海外からの賠償請求はないのでしょうか。計画停電被害は東電には責任はないのでしょうか。
原子力損害賠償法では、地震や津波による原発事故は、国が発電所1か所ごとに、最大1200億円補償することは前述のとおりですが、とても足りないでしょう。東電国有化のうわさが出るのもうなずけます。
原因が「異常に巨大な天災地変」とされた場合には、国が全面的に負担するとの規定もあります。国としても、一民間企業(?)の東電に負担は無理と判断して、国の支援を検討しているようです。ネットでも、東電はつぶれるのかなどの論調が飛び交っていて、結局国が保証するからつぶれないとか、いろんな議論がなされているようです。
東京電力の株価は、地震発生前は2000円近くあったものが、今は500円前後となっています。桁が下がりましたね。