金曜日, 4月 13, 2012

郵政民営化法案改正案が衆議院本会議で可決


 郵政民営化法案改正案が、昨日衆議院本会議で、民主・自民・公明の3党賛成により可決され、参議院に送られました。

 改正案は、日本郵政グループの「郵便局会社」と「郵便事業会社」の統合、「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」の全株式処分期限の撤廃というもので、2つの金融2社の完全民営化は努力目標の改められ、事実上の民営化後退というものです。平成17年の、参議院で否決された事だけの、郵政民営化の賛否だけで、税金を使っておこなったあの選挙は何だったのでしょうかね。当時、民営化の中心人物であった中川元幹事長、菅元総務大臣、そして当時の総理の息子は、議会で反対しました。

 一方、「一丁目一番地」と、徹底的にこだわった亀井前国民新党代表は、「採決まで時間はかかりすぎたが結果はよかった」と述べています。

 
 アメリカは、これに強く不快感を示しています。年次改革要望書(年末にアメリカから日本に要請するもの)でも、再三、郵政民営化を訴えてきたことの、事実上の白紙撤回のようなものです。アメリカの言い分は、かんぽ生命保険は、国の庇護のもとに販売を行ているので、民間の保険会社との公平な競争環境にはないということです。これを強く指摘しているのはアメリカ保険会社です。アメリカがこだわった郵政民営化の本丸は、やはり保険市場だったのですね。民営化反対側が危惧していた、金融2社の全株式売却によるアメリカ金融機関による買収危機は、やはり危惧ではなかったようですね。

 ただ、政府のスリム化(小さな政府)には、反対ではありません。財政投融資の蛇口を閉めることは重要です。財政投融資は第二の予算と言われ、郵貯や簡保の保険料などが、政府活動に使われているところがあると言われています。郵政民営化はその元を立つとともに、財政再建の一旦でもあったと記憶しています。

 ただ、国民を巻き込んだ大騒動は、一体、私たちにとってはどちらが良いのか、わからないまま物事が進んでいることが怖いですよね。