ラジオ収録の時のパートナーに戯作者で、元ニュースペーパーの松崎菊也さんが、「震災後は、日本不安で円が売られると思っていました」とおっしゃっていました。確かに信用不安に陥ると、その国の資産は売られます。特に債券は暴落しますので、当然通貨安を招きます。ヨーロッパがそうでした。過去の、債務不履行の国はそうでした。
ところが、阪神淡路大震災の時も円高になり、対ドル79.75円という、史上最高値を記録しています。今回も、今朝一時その記録を大幅に更新し。76円台まで円高が進みました。
為替は、相対取引で、片方を売れば、片方は買われるという関係です。株は全員が買って全員が売ることができます。買い手売り手がマッチしないと、商いが成立しないだけです。世界の決済通貨は米ドルで、日本起業は海外での商売で得たドルを、日本国内で危機になると本国へ戻すことを行います。私たち家計でも、預貯金を崩すということがありますよね。外貨を売って円を買い戻すため、どうしても円高になります。
また、世界で円は安心通貨となっています。世界的な災害が起こると、金が買われるのと同じで、基軸通貨のドル、さらに円が買われます。対ドルでは円が買われます。大きな資金集団の動きがこれに拍車をかけるということになります。
円高に加え、日本国債は、国内で消化されているので、債券暴落は考えづらいと思います。今後問題になるのは財政赤字でしょうね。今まで以上に、世界から問題視されると思います。
今回の災害は、阪神淡路大震災の時よりも被害額は比較にならないと言われています。大きな資金が海外から日本に移動します。円高水準の高値更新は、まさに地震の被害の大きさを物語っています。
ただ、大きく円高に振れたのは朝方5時から6時の間です。この時間帯は、東京はもとより、ニューヨークやロンドンなど、大きな市場が取引していない、真空地帯のような時間帯で、ここで大きなお金が動いただけで、為替相場は大きく変動します。2~3円は平気で動きます。円高に突入という、過去の出来事も、この時間帯に多く現れます。真意は定かではないですが、わざと為替を動かすなんてことも言われている時間帯です。
マーケットが開いて、どの推移になっているかによりますが、あまり、この時間のことは、現象としてとらえればいいかと思いますが、FX取引をしている人にとってはたまらないですよね。
とにかく冷静に、落ち着いて、一つ一つの現象に左右されないようにしましょう。相場にポジションを持っている場合は、ロスカット幅を広げて、新規ポジション持ちは控えるようにしましょう。中長期のスタンスの方は、パニック売りにならないように、必ず日本は復活します。日本の底力を信じましょう。