なんとかなる・・・よく耳にする言葉です。「なんとかなる」とは、思ったことが実現することで、実現しなければなんともなっていないことになります。
中学3年の時、高校受験前の先生の話です。
「第一志望の学校に受からなくても第二志望の学校に受かれば、それはなんとかなったということではない」
強烈に覚えている言葉です。
第二志望ということは、高校というところに進学することは叶ったのですが、それは妥協して叶ったことで、当初目的が達成したわけではないということです。なんとかなったわけではないのですね。なかなか厳しい言葉ですが、まったくその通りです。
若い世代の人に将来の事を聞くと、この「なんとかなる」という言葉が連発されます。家を買う時もあまり真剣に考えないで「なんとかなる」「なんとかやっていける」という感じです。この「なんとかなる」に対して、なんの根拠もありません。確固たる裏付けもありません。すべて感覚です。
老後に関しても、なんとかなる、どうにかなるの発想で、それには何の根拠もありません。
「だってそんな遠い未来のことはわからない」と言います。まさに想像力の欠如です。
話の質が全然違いますが、昔ラジオ番組で、声優の野沢那智さん(故人・アランドロンの吹き替えで有名) が、戦争に対する若者の意見で、戦争を体験していないからわからないという言葉に対して「想像力がない」と言っていました。絶対に経験してはいけないのが戦争です。戦争になったらどれだけ悲惨かも想像できないようになったのかと、番組で嘆いていました。
老後を想像したくないというのもわかります。Delet-Keyを押せばいつでもリセットできるわけではないので、今からそれ相応の準備をしておかないと大変なことになります。
今の社会制度の行く末を想像しながら、自分の働き場所を、自分の稼ぎを考えながら老後をイメージしてみてください。まさに想像力です。決して何とかなるという発想にはならないと思いますよ。