アメリカのFRB(連邦準備理事会)は、臨時会合を開き、政策金利のFFレートを「0.75%」もの大幅な緊急利下げを行いました。ヨーロッパのマーケットは下げで始まり、米利下げの影響は微妙、NYダウも値を下げて終わりましたが、下げ幅は収縮したとの観測です。緊急利下げですから、本来は決められた日に行う者です。それほど緊急事態と言うことで、かつて「9・11」直後に行われて以来のことです。今月末に定例会がありますからそこでさらなる利下げがあるかどうかがマーケットの注目するところでしょう。マーケットが改善しないようであればさらなる利下げが予想されます。利下げでもマーケットが改善しなければ、かなり本腰で政府が対策をしなければならないでしょう。テレビのニュースでは、日本の政府関係者はまるで人ごとのような発言が非常に気になりますがね。
日米欧サブプライム損失14兆円に
米国の低所得者向け高金利型(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き急増とそれに伴う金融市場の混乱が原因で、2007年中に日米欧の主要金融機関23社が計上した損失(公表ベース)が総額1,338億ドル(約14兆1,900億円)に上ったそうです。損失額は年末にかけて急拡大し、14兆円を突破。世界全体では30兆~50兆円規模に膨らむとの試算もあります。とにかく、この損失は痛いどこまで膨らむのかが不安で、市場を冷え込ませています。会計上の問題なのですが、金融機関が損失を計上すると言うことは、経営に直結する問題です。自己資本比率が8%着れば、世界で営業ができなくなります。問題の震源地である米金融機関の損失が総額923億ドル(約9兆7,800億円)で全体の7割近くを占めました。米国勢では、シティグループが単独では最大の286億ドル(約3兆300億円)の損失を計上。証券大手メリルリンチが225億ドル(約2兆3,900億円)で続き、両社とも資本増強に踏み切りました。