欧米やアジア市場でここへ来て株価の下落が加速し、下げの大きさが際立っていた日経平均株価に並んできたと報じられています。1月第2週時点(11日まで)の日経平均の年初来下落率は7.8%で、3~4%前後の各国指数に比べて下げが大きかったのが、第3週時点(18日まで)ではほぼ横並び。日経平均は9.4%と依然下げ幅が大きいですが、香港が9.4%、フランスやドイツも9.3%など、下げ幅が並んできています。米英も9%近い下げになり、世界の株価が絶不調です。
米の景気対策16兆円規模、ブッシュ大統領が発表
ブッシュ米大統領は、低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題をきっかけにした景気悪化を食い止めるため、最大1,500億ドル(約16兆円)の景気対策を実施すると発表しました。消費刺激のための所得税減税と企業に設備投資を促す減税が柱となります。大幅な利下げに踏み切る意向を示している米連邦準備制度理事会(FRB)と協調し、政策を総動員します。ところが、利下げや減税に、マーケットが反応しないようです。具体策は明らかにしなかったが、納付した個人所得税のうち1人当たり500~800ドル程度を小切手で還付する「戻し税」が検討されています。また、企業減税では、設備投資を促す優遇税制で雇用を促進し、ラジアー大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は「今年中に50万人の雇用創出効果がある」との見通しを示しました。ブッシュ大統領は、28日の一般教書演説までに具体策をまとめる方針です。ただ、今年は大統領選挙の年ですから、議会多数派の民主党との調整が難しいようです。ブッシュ政権の景気対策としては、2001年に「戻し税」などで11年間で約1兆3,500億ドルの減税を実施したほか、米同時テロ後の景気悪化を食い止めるため、2002年には減税を含め約500億ドルの対策を行いました。また、IT(情報技術)バブル崩壊後の2003年には、総額約3,500億ドルの「総合経済対策」を実施しています。