2009年春闘が本格的にスタートしました。賃上げよりも現在の賃金維持が大変と、トヨタ経営陣からの話もあり、交渉は相当厳しそうです。日産自動車は聖域といわれる定期昇給分にも踏み込む交渉となると、トヨタ同様、交渉の厳しさが伺えます。
労働者側は8年ぶりのベア(ベースアップ)復活などの賃金改善を要求しています。富士重工業労組をはじめ自動車総連傘下の主な労組は、前年獲得実績を大きく上回る4,000円のベースアップ(ベア)などの賃金改善を一斉に要求しました。また、大手電機メーカー労組では、電機連合が決めた統一要求に沿って、シャープと三洋電機の労組は、代表的な職種である開発・設計職で昨年要求の2,000円よりも大幅な増額となる4,500円の賃上げを要求しました。
ただ、労組の中には、会社の業績悪化に伴い賃上げを要求しないところもあり、今回の交渉の苦悩が伺えます。
そもそも、直近の景気拡大期に、企業は従業員の給料を上げることより、再度不景気になったときに備えての内部留保金に資金を回していました。株主配当も増やすことで、買収対策などの株価対策を優先してきました。会社の業績好調を支えてきた従業員の処遇改善を後回しにしてきた付けがまわってきたような気がします。デフレ経済突入不安も、給料が上がらない中で、物の値段が上がる状況となり、そのスピードが急激すぎて、消費が冷え込むのも仕方がないことですよね。
派遣切りといわれてきた状況から、もはや正社員切りになってきています。雇用自体を守ることが大変になってきています。