米下院が可決した景気対策法案に含まれる国産品優先原則の条項のことで、公共事業で使う鉄鋼製品は米国製でなければならないとしているものです。1933年バイ・アメリカン法は原則として政府調達や公共工事での米国製品・資材の調達を義務付けており、これに沿った措置です。内外無差別を原則とする世界貿易機関(WTO)ルールに直ちに抵触するとは言えないが、自由貿易への影響が懸念されると思われます。ダボス会議でも、批判の対象となっています。
現実には、世界各地で保護主義的な動きが加速しつつあるようです。金融・経済危機を受け、目立つのは雇用確保を理由にした自動車産業への支援です。米国が自動車大手ビッグ3への支援に踏み出したのに続き、英国も最近、3000億円近い自動車産業向けの債務保証を実施する方針を発表。ダボス会議では、各国の自動車産業支援は保護主義にほかならないとの指摘が相次いだようです。