23日のニューヨークダウは、11年9ヶ月ぶりの安値、250.89ドルも急落し7114.78ドルまで下がりました。政府がシティバンクへの40%の普通株保有、バンクオブアメリカ(バンカメ)両行の国有化による支援への期待から、金融株は買われたようですが、全体では景気対策が不十分との見方から、株価は軟調のようです。AIGは600億ドル日買い損失を計上する見込みで、さらなる追加支援が必要のようで、株価への好材料は見あたらない状況です。これを受けてか、日本マーケットも下落でスタート。NYダウ7000ドル、日経平均株価7000円と、どちらも「7000」割れが心配されるところです。
一方、フォードと全米自動車労働組合(UAW)は、米自動車大手フォード・モーターの医療費負担の変更をめぐる交渉で、暫定合意したとの報道がありました。日本と違い、アメリカには皆保険制度がなく、多くの従業員を抱える会社は、医療費負担を支える民間の保険を、従業員にかけてあげるという制度が義務づけられています。これが保険料負担として、業績悪化時には重くのしかかります。従業員にとっては命綱でもあり、医療保険を負担してもらうことは譲れない、すなわち、解雇されると医療が受けられないということにもつながり、労使交渉は難航するのです。従って、フォードの暫定合意は一歩前進のようですが、GMやクライスラーに関しては、破産(破産法11条適用)をして従業員との関係をゼロにしてから再建するということも報じられています。
こんなマーケット状況の中、金だけは着実に値を上げて、現地20日NY金先物(COMEX)中心限月・4月物は1トロイオンス=1002.20ドルで取引を終えています。
オバマ大統領は、前政権から引き継いだ米財政赤字は1兆3,000億ドルで、利払いは2008年だけで2,500億ドルにのぼったと強調し、1期目の任期が終わる4年間で、前政権から引き継いだ財政赤字を半減することを約束すると述べました。さらに、医療制度に関しても検討すると述べています。