米国がゼロ金利政策に踏み込んだことで、日米金利差が逆転、一気に円高に進んでいます。日銀の金利引き下げをマーケットは叫んでいると報じられています。
為替とは、異国間のお金の動きを表すもので、常にお金は低いところから高いところへと移動します。もう一つは安全な方へ移動します。そして強い物に惹かれていくのもお金です。その強さは経済力です。言い方は妙かもしれませんが、女性の男性への結婚条件のようなものでしょうか。「高収入」「安定収入」「男の強さ」ですかね。
USD、EUR、JPY、GBP、AUDなどの大国間でのお金の動きは金利などの要素が強いですが、新興国などでは金利の高い国にはありますが、その国の安全性(単に紛争の有無だけでは経済規模など)から必ずしもその国の通貨が買われる(高くなる)とは限りません。FXで儲けようというのは話が別です。
米国では、長期経済の低迷から、レーガン大統領が、歳出削減・大幅減税・規制緩和策・高金利政策を打ち出し「小さな政府」を目指した、いわゆる「レーガノミックス(これは造語です)」と呼ばれる政策で、米国の金利を引き上げてドルを呼び込み、ドル高へと誘導したのが、金利と為替の関係をよく表した例と言えるでしょう。
また、金利では逆の話もあって、日本がずっとゼロ金利を継続しているとき、日本でお金を借りて海外投資をする、いわゆる「円キャリートレード」により、円がずっと安くおかれていたという現象もあります。
本来は強い経済に対してその国の通貨は高くなるのですが、今は日本円が高くなっていますが、決して日本経済が「強い」という訳ではありません。他の国が日本より体力を失っているということでしょうか。経済を推し量るのに、嘗ての常識は通じなくはなってきていますが、基本はしっかりと押さえておいて方が良いでしょう。
どこまで円高が進むのか、日銀の政策次第では為替の行方はわかりません。ただ、このままいけば、アメリカは大量の赤字国債を発行するので、ドル暴落は免れないと思われます。必ずや何か仕掛けてくると思われます。多くの経済学者やアナリストが言っているように、対USDでは「短期は円高、中長期では円安」という見方が良いのでしょう。どこまで円高が進むのか、円安に向かうのはいつなのか、どこまで円が下がるのか、その鍵はオバマ次期米国大統領が握っているような気がします。