鹿児島県を地盤とする南日本銀行は21日、新しい金融機能強化法に基づく公的資金の申請の検討を開始すると正式に発表しました。申請の検討を明らかにしたのは北海道の札幌北洋ホールディングスに続き全国で2例目になります。同行は優先株発行に必要な臨時株主総会を3月中旬に開く方針で、年度内の申請を目指す。注入額は数十億円の規模となる見通しです。
バブル崩壊後の金融においても、都市銀行の不良債権処理は速く進みましたが、地方銀行の不良債権処理はなかなか進みませんでした。リーマンブラザーズの社債やサブプライムローン関連の証券化商品など、地方銀行は結構保有していると言われています。価値のない債券の分だけ、銀行は損失を計上しなければなりません。
地方銀行は独自でなんとか運用使用と工夫しています。30%の空売りを組み込んだ「ワンサーティ・サーティ」など、ある程度のリスク商品にも、ヘッジを考えながら運用しています。そこに郵政民営化によるゆうちょ銀行の猛追、貸金業法の改正による地元企業の疲弊、それから連鎖する銀行自体の貸し渋り、地域格差による地方経済の年に比べても大きな衰退など、地方銀行を取り巻く環境は厳しいものです。
地方銀行の破綻は、地域企業にも多大な影響を与えます。栃木県の足利銀行しかりです。経済において地方銀行の行方は注目です。