アメリカでは、初の黒人大統領に沸き、強いアメリカ復興の期待が高まっています。このブログでも書きましたが、オバマへの期待が高まるたびに、それだけブッシュがひどかったと言っているような気がします。
オバマ大統領は就任演説で、高まる期待を押さえるような感じで、責任という言葉で、全米一致になって立ち向かうことを強調していました。高まる支持率をいかに抑えるか、どこかの国のトップとは大違いです。
サブプライムローン問題が端を発した世界不況と言われていますが、もうサブプライムなんて関係なく証券化商品全般の問題で、金融機関の損失が未だ確定していないのが不安を助長しています。舞台が金融ですから、金融に関わる国はすべて大打撃を受けています。これは、1980年代後半から1990年代にかけて、世界の先進国は金融立国を目指し、金融を強化してきました。一方、日本はバブル崩壊後を公共事業で乗り切ろうと、先進国が選んだ道とは別の方向を走りました。その結果、それまで無名だったアメリカの投資銀行やヨーロッパの銀行が、日本の三菱や住友、野村證券を追いやってのし上がってきました。
アメリカの全産業の約30%が金融、ヨーロッパも同様、スイスは半分以上が金融業界で成り立っています。イギリスは、金融業界が国を助けましたが、製造業を含め、他の産業の成長では支えきれない状況で、アメリカよりも深刻といわれています。アメリカやイギリスは金融業界を育て、特にヘッジファンドを育てました。むしろヘッジファンドは基幹産業となっていました。特にイギリスのファンド造成でのレバレッジ(元手に対しての取引額の倍率)は大きく、世界各地に租税回避地もあり、その実態が不透明でもあります。金融が国を大きくし、金融により苦しめられています。
オバマ大統領は世界に向け、金融のあり方の変革と、新たなるバブルの造成を、おそらくITバブルを超える規模のものを作ることを宣言しました。
まだまだ、金融機関の損失が定まっていない状況です。時価会計の選択制も行われると聞いています。そして、実体経済の減速、相次ぐ悪い経済指標の発表です。各国真剣に、スピーディーに出口を探して進んでいるところです。
さてその中で我が国日本はどうなるのか。本日、定額給付金を含んだ補正予算が通るそうです。