欧州連合(EU)の欧州委員会は、地球温暖化対策について、2020年の時点で年間1750ユーロ(約21兆円)の規模に引き上げを提案しています。半分以上をエネルギー効率の向上などの途上国対策に割り当てるほか、先進国に対して、温室効果ガスの排出量に応じての資金拠出を求める新制度も盛り込んでいます。
この提案は次回のコペンハーゲンでの国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で、京都議定書後の国際的な対策を決めるEUの交渉方針原案となります。
温室効果ガスの排出の伸びは深刻で、先進国には2020年までに1990年比で30%の削減を求めています。途上国には義務を課していませんが、今後15~30%削減を求めるようです。
インフラ整備では、化石燃料を使わない技術の開発、省エネ対策が想定されます。京都議定書では規制対象外となっている国際的な航空、船舶分野も対象にすることを提案しています。
経済協力開発機構(OECD)加盟国に対しては、EUがすでに運用している排出量取引のような制度を2013年までに各国に取り入れ、2015年までには各市場が連携する国際市場を創設することを求めています。
排出権という全く無価値なものが取引材料となるわけです。新たな金融の創出です。そのためには銀行におけるBIS規定のような、厳しい規制を設ける必要があるでしょう。