ロシアは1日、ウクライナとの間で行っていたガス問題をめぐる交渉が決裂したのを受け、同国へのガス供給を停止しました。ロシア政府系の天然ガス独占企業ガスプロム(GAZP.MM)は、欧州向けのガス供給は継続するとしています。ウクライナ経由のパイプラインにガス需要の5分の1を依存する欧州連合(EU)は、米国とともに、両国に問題解決のためのさらなる交渉継続を求めており、すべての供給義務は履行されなくてはならないと主張しています。
ドイツ、フランス、ポーランド、ルーマニア、オーストリアのエネルギー企業からは、ガス供給に影響が出たという話は出ていません。専門家によると、欧州はロシアからのガス供給が途絶えても数日間は備蓄で乗り切ることができるということですが、世界の国家間のもめ事の根底にあるのは、ほとんどが天然資源に関わる問題です。
天然資源を持つ国と持たない国、自国の繁栄のために天然資源を求める国と供給することで儲けている国。歴史においても大戦や地域紛争にも、天然資源の利権を求めて戦い(殺戮)です。イラク戦争は、自国の繁栄のために使う国と、供給することで儲けている国との、あるいは、自国の繁栄の繁栄のために使う国間の問題などにより行われた戦争です。
この天然資源を巡っての戦争は、舞台を中東から東ヨーロッパに移っています。カスピ海の西側、ペルシャ湾に抜けるラインの確保を巡る、自国の繁栄を願う国同士の利権争い、黒海周辺地域が重要になってきます。
ウクライナのユーシェンコ大統領は、滞納金問題と2009年のガス価格に関するロシア側との交渉再開を求めており、ガスプロムと供給契約合意は1月7日までに達成可能だとの見方を示しています。