金曜日, 1月 16, 2009

バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)に追加融資

 米大手銀バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は、不良資産救済プログラム(TARP)からの約150億ドルの追加資本注入と政府保証について、米政府と協議を進めているそうです。バンカメが1日付けで買収したメリルリンチの損失に対処することが追加支援のねらいのようで、20日の決算発表の際に明らかにする方針ということです。
 バンカメはすでに、財務省の7000億ドルの金融安定化法に基づく不良資産救済プログラム(TARP)に基づき250億ドルを受け取っています。バンカメが、メリルの2008年10~12月期の赤字が予想を超えていたため、メリル買収手続きを完了できそうにないと財務省に報告したことから、追加資金援助についての話し合いが昨年12月中旬に始まったということだそうです。
 財務省は、メリル買収が完了しなければ米金融市場の安定が脅かされると懸念し、追加の公的資金注入を含む「計画の策定」についてバンカメと協議していたうようです。バンカメが背負わなければならない損失には上限が設けられ、政府が残りを負担することになるらしく、メリルの不良資産による損失からバンカメを守ることになりそうです。
 金融各社はすでに数十億ドルの公的資金を受け取ったとはいえ、バンカメへの追加支援は、銀行システムが今も微妙な状況にあり、さらなる資本を渇望していることを浮き彫りにしています。バンカメがこれまでにTARPに基づき受け取った250億ドルには、メリルがバンカメへの身売りを完了しなかった場合に受け取ることになっていた100億ドルが含まれています。
 日経新聞では、ポールソン財務長官は、バンカメを追加支援しなければメリル買収が完了せずメリルを置き去りにすることになるとの懸念から、この話し合いは同長官が主導していて、同筋によると、1日の買収手続き完了は、バンカメと財務省が後に何らかの支援計画で合意するとの了解を伴っていたと報じています。また、バンカメの10~12月期決算は赤字、または少なくとも予想を下回る黒字になったとみていて、メリルの同四半期の赤字がどの程度なのかははっきりしないとのことです。
 昨年7月には米住宅金融大手カントリーワイド・ファイナンシャルを買収、さらに今年初めにメリルを買収したことで、バンカメは米金融システムのあらゆる事業分野で上位に位置するようになりました。クレジットカード、住宅ローン、証券引き受け、合併・買収(M&A)アドバイス、資産運用など、同社が手掛けている事業すべてが、第二次世界大戦後で最大級の景気後退のなか、圧力を受けているそうです。
 アナリストは、失業率の悪化や、消費者を悩ます多くの問題を懸念し、バンカメの10~12月期の業績見通しを下方修正していて、一部は赤字を予想し、自己資本を支えるために再び減配を余儀なくされるとみているとみられています。