オバマ次期米大統領は、2009会計年度(アメリカの会計年度は2008年10月~2009年9月、日本は4~3月)の財政赤字が、過去最大となる1兆ドル(約94兆円)程度まで悪化するとの見通しを示しました。2年間で約8,000億ドルになる可能性がある景気対策が行われることで、同様の規模の財政赤字が、今後、数年間にわたり続く可能性もあると指摘しました。約94兆円の財政赤字は、日本の2009年度政府予算案の一般会計総額(約88兆5,000億円)を上回る膨大な数字です。オバマ次期大統領は経済再建のために財政出動が必要としながらも、政府の財政規律の健全化に取り組む重要性も強調。景気対策に議員の利益誘導になる「ひも付き予算」を盛り込むことを禁止することも表明しました。
米国の財政赤字は、2008会計年度に過去最大の約4,548億ドルを記録。昨年10月に始まった2009会計年度は、金融危機対策による金融機関への資本注入などにより2カ月間で4,016億ドルに達していることになります。ブッシュ大統領の大盤振舞い(オバマ振舞いなんてやじる人もいます)のツケは、次期政権の最大の課題です。
オバマ次期大統領は景気対策、雇用創出策として、エコ・環境関連の公共事業創出のグリーン・ニューディール政策を早くも掲げています。マーケットも、オバマ期待から、年初から上向きではありますが、今年は正念場ですね。でも、選挙が終わって通信簿をつけられるときですから、アメリカはきっと立ち直るでしょう。そこから世界経済回復の兆しは必ず見えるともいます。共和党が政権を取ったとき(現ブッシュ大統領)の時と違い、「いやそんな良くなることはない」という逆風は今回あまり聞きませんね。むしろ期待感の方が大きいようです。