アメリカ労働省が9日発表した昨年12月の雇用統計(速報値)によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が昨年1年間で計258万9,000人減となり、年間の減少数としては第二次世界大戦時の1945年(275万人減)以来、63年ぶりの大幅減を記録しました。金融危機の深刻化に伴い、2008年のアメリカ国内の雇用情勢が戦後最悪の水準に落ち込んでいたことを改めて裏付けたことになります。また、昨年12月の失業率は7.2%となり、11月の6.8%から0.4ポイント悪化し、1993年1月以来、約16年ぶりの悪い数字となりました。就業者数は前月比52万4,000人減少しました。就業者数の減少は12カ月連続で、4カ月連続での40万人超の減少となったことになります。11月の就業者数も58万4,000人減と大幅に下方修正されました。大手証券リーマン・ブラザーズが経営破綻(はたん)した9月以降の4カ月間の就業者数の減少は計193万4,000人。金融危機が急速に実体経済に波及し、雇用の悪化に拍車をかけている現状が浮き彫りになりました。アメリカ景気の後退局面が長期に及ぶとの懸念も一段と強まっており、戦後最長の不況に陥る恐れが現実味を帯びてきました。
この雇用統計、失業率というのは、アメリカマーケットに与える影響は非常に大きく、失業率の悪化が報道された直後は、ほとんどが株価は下落しています。それだけ労働力という物を重視しているのでしょう。これは、日本とアメリカの雇用形態の違いからかと思われます。ただ、日本も今は、アメリカ式?の雇用形態になろうとしています。終身雇用の崩壊、今話題になっている非正規雇用者の増加です。
経済指標で注目は、この失業率や個人消費に関するもの、あとは企業の設備投資、機械受注統計などです。