月曜日, 1月 12, 2009

コメ減反政策について

 石破農相が昨年末に打ち出した、コメの生産調整(減反政策)の制度廃止を含めた見直し発言が波紋を呼んでいます。約40年間にわたって国内のコメの価格を維持するために続けられてきた減反政策は、制度内容が頻繁に変わり、農家の生産性向上といった構造的な問題の解決に役立っていないとの指摘が多く、総選挙を前に農家を支持基盤に抱える自民党が、減反の抜本見直しに踏み切れるのか注目されています。
 減反政策とは、コメの価格安定のために、生産量を調整することで、生産量を抑えればコメ価格は上がる、供給量が増えればコメ価格は下がる、農家のことを思えば、米流通量は抑えた方が農家は潤うというものです。減反は国民がコメを食べる量が減り、コメが余ってきたため、農家の収入が減ることに歯止めをかけるため、1971年度から始まりました。作付面積を減らしてコメの価格を維持しようとするもので、現在、約270万ヘクタールの水田のうち、減反政策によって、コメの代わりに約4割で麦や野菜などが作られたり、休耕田となったりしています。 2006年度から政府は、翌年のコメの目標生産量を提示し、都道府県に配分することになりましたが、実際にコメ農家がどれだけ生産するかは、農協や農家が独自に決める仕組みに変えました。この結果、コメの過剰作付けで、コメの生産量が増え、価格が最大10%程度も下落してしまった。 減反でコメの作付面積を減らした結果、価格が維持されたとしても、協力せずに、自由に作る農家が価格維持の恩恵を受けるしくみで、正直者は馬鹿を見るという石破農水大臣の発言につながります。2007年度は、割り当てた目標を達成するために、地方自治体や農協への締め付けを厳しくしましたが、効果が上がらず、生産量が増え、価格低迷が続き、農家の不満は募るばかりです。
 実際、農家の所得は減っていると聞いています。民主党が集票のためjかどうかはありますが、農家への一斉の補助金も、現場としては本当に困窮しているようです。この減反政策を廃止すれば、米の価格は下落します。世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が再開し、仮に大枠合意すれば、コメの輸入枠が拡大し、安い輸入米が国内に多く入ってくると、競争力の問題で、さらに農家は大変なことになります。日本の米はおいしいから外国の米には負けないという楽観論もありますが現場の意見はどうでしょうか。さらに、株式会社の参入の問題など、農業の担い手を増やす抜本策が必要です。
 ただ、農家には減反を支持する声も根強く、自民党農林族議員なども減反の抜本見直しに反発する可能性が高く、見直しを巡る議論は難航しそうです。
 普段、毎日食べているお米のことですが、意外と知らないことが多いです。どこかでお米のことを調べてレポートしようと思います。