欧州で金融不安が再燃し、資金流出が加速しています。英国が第2弾の金融危機対策を決めたことで「欧州各国が銀行国有化など追加対策を迫られる」との観測が浮上したことが背景で、外国為替市場では英ポンドとユーロが急落しています。欧州各国の国債や株式も売られる展開となっています。
英ポンドは過去1週間に対円で9%、対ドルで8%急落。週末23日には一時、対円で過去最安値を更新し、対ドルで1985年以来の安値を付けました。英国では政府が昨秋に続く追加金融対策を発表した後、「政府はいずれ大手英銀の完全国有化を迫られる」との見方から財政悪化懸念が強まり、国債相場も下落しました。
かつて、英国は30年不況を経験しています。ロールスロイスなどの自動車メーカーが外資となり、サッチャー首相の下のビッグバンで金融機関が外資になりました。その後、金融立国を目指して立ち直ったのですが、今回の金融不安で、金融立国を目指した国々の被害が大きいです。
特に英国は金融以外に経済を牽引する企業が少なく、その被害は他の金融立国と比較しても大きくなっています。英ポンドはドルや円、ユーロに並ぶ大きな通貨で、売られやすくなっています。
英国の金融機関の証券化商品への投資、レバレッジも大きく、痛み具合は厳しいです。