日曜日, 1月 18, 2009

札幌北洋ホールディングスに金融機能強化法による公的資金注入第一号

 北海道が地盤の北洋銀行を傘下に抱える札幌北洋ホールディングスは17日、公的資金の注入を金融庁に申請することで最終調整に入りました。金融機関に公的資金を予防的に注入する新しい金融機能強化法に基づく措置で、早ければ今年度中にも注入を受けいれます。注入額は数百億円を軸に詰めるようです。金融市場の混乱が今後も続くと判断、公的資金による資本増強で将来の損失に備え、貸し出し余力を高める方針です。金融機能強化法に基づく申請方針が表面化したのは今回が初めてです。金融機関に公的資金を予防的に注入するのはほぼ2年ぶりになります。有力地銀各行が追随する可能性もあります。
 金融機能強化法は、2004年に導入され、2008年3月に期限切れとなった法案の改正版です。いわゆる期限の延長です。今度は2012年3月までの時限措置となりました。不良債権処理は大手銀行はおおかたの目処がついたとされていた当時、第二地銀(旧相互銀行)を中心に、不良債権処理が都銀ほど進んでいないことを危惧されてできたもので、2005年4月のペイオフ完全解禁を前に、金融不安を起こさないよう、合併や経営統合といった経営体質の改善を目指す特に地域の金融機関(地方銀行、第二地銀、信金、信組など)に対して、健全行にも予防的に公的資金による資本増強ができる制度を組み込んだものです。旧法での注入は紀陽ホールディングス(和歌山市)と豊和銀行(大分市)の2例があります。本年度第2次補正予算案で注入枠を2兆円から12兆円に増やしました。銀行のほか、信用金庫や農協などの中央組織も注入対象としました。中小企業向け貸出比率と残高が2期続けて当初より減った場合「業務改善命令を検討する」としています。