月曜日, 3月 02, 2009

EU臨時首脳会議、金融感と危機感の創設、経済危機脱出へ

 欧州連合(EU)の臨時首脳会議において、金融機関に対する規制・監督を強化するため欧州統一の金融監督機関の創設を確認しました。また、通貨危機に見舞われた中・東欧を含む欧州全域の金融安定の重要性を強調し、新車に買い替える消費者への奨励金など各国が協調して自動車産業を支援することを打ち出しました。共同声明は、4月2日にロンドンで開かれる第2回金融サミットに向け、EU
27か国の結束を図り、単一市場として協調行動をとることを強調しています。
 金融安定化策では、各国の金融監督当局の上部組織となる横立断的な機関の創設を、6月までに具体案を詰めることを確認しました。金融機関の損失拡大要因となっている不良資産対策では、統一指針に沿って、早期処理を進める方針を確認しました。各国間で差がある政府支援の足並みをそろえる狙いです。経済悪化が雇用に与える影響を最小限に抑えるため、EUの既存基金を活用する方針も明記しました。EU崩壊が危惧されるくらい、今回の経済危機でのダメージ度が各国によってことなり、厳しいところは相当に大変のようです。
 欧州では、金融危機の影響で主要な金融機関の業績が軒並み悪化、公的資金による経営テコ入れが相次いでいます。英ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)はこれまでに約4兆5,000億円の公的資金が投入され、実質国有化されました。独コメルツ銀行は約2兆2,000億円の公的資金が投入され、アイルランドでは主要3行が実質国有化される事態となっています。
 各国の金融監督当局間で情報交換が適切に行われず、ユーロ圏の金融政策を担当する欧州中央銀行、各国中央銀行、各国当局の意思疎通も不十分だった点が危機拡大を招いた一因とされ、EUは横断的な監督組織を設けることで国境を越えて活動するメガバンクの経営実態を的確に監視するほうこうで動きます。金融市場のリスクを早期に把握するため、中央銀行と監督当局が参加する新組織も検討されています。
 このほか、保護主義の拡大阻止で一致。世界貿易機関(WTO)交渉の早期の大枠合意を目指すことも確認しました。
 ヨーロッパの痛み具合が一番深刻です。ユーロ誕生後の初めての大きな危機をどう乗り切るか、まさに正念場といえるでしょう。