月曜日, 6月 27, 2011

巨大銀行自己資本引き上げ

 国際決済銀行(BIS)バーゼル銀行監督委員会を構成する主要国の中央銀行総裁と銀行監督当局トップのグループは25日、国際金融システムに著しく大きいリスクをもたらす可能性のある世界の巨大銀行に対し、自己資本比率を最大2.5%上積みするよう求めることで合意したと、ウォール・ストリート・ジャーナル日本版の記事にありました。

 記事の内容によりますと、国際金融システムに影響を及ぼす可能性のある銀行に対し、その重要度に応じて、狭義の中核的自己資本(Tier1)比率を1~2.5%上積みするよう求めるというものです。1~2.5%とはかなり幅がありますが、日本三大メガバンクが、この合意のもとに自己資本比率を引き上げるとなると増資することになるでしょう。そうなると、株価は下落することになります。

 さらに記事では、バーゼル委は昨年、全ての銀行に対して中核的自己資本を最低7%に引き上げるよう求める新たな銀行自己資本規制(バーゼル3)で合意しており、今回の規制はこの7%に上乗せされることになるります。公表された合意文には、将来、必要な状況が生じた際には、「さらに1%の自己資本比率の上乗せが適用される」との文言も盛り込まれているそうです。

 ただし、対象となった銀行は2019年までに自己資本比率の上乗せを完了することが求められるとなっていますので、そういう意味では、まだ十分に時間があると言えるでしょう。

 このBISというのはかなりの曲者で、日本がニューヨークのロックフェラービルを買収した華やかかりしころ、日本銀行をターゲットに自己資本比率規制を導入したもので、銀行は、この規制に振り回されることになりますね。改めて思いますが、銀行の自己資本は、全体の7%しかないのですよ。あとは人様の預金ですからね。考えればすごい構造ですよね。