木曜日, 5月 24, 2012

医療が危ない

日本の社会保障制度で、年金制度への不信が取りざたされていますが、実は、最も深刻なのは医療制度であるといわれています。皆保険が危ないという感じでしょうか。

 とにかくお金が足りません。私たちの窓口負担は、総費用の3割ですから、残りの7割は、健康保険制度から支払われています。医療給付費と呼ばれるものです。この原資が全然足りません。

 いま国が行っていることは、医療費抑制、つまり、治療にかかる総額を抑えることです。身近な出来事からすれば、入院日数を減らすことです。とにかく入院は短くと言うことです。

 社会的入院と言う言葉があります。特にお年寄りで、身寄りがなく、退院しても行くところがないので、ずっと入院しているという、老人ホームのような感覚で入院することです。 今までは医療給付費が出ていましたが、給付費の頭打ちをされるようになり、病院側としても強制退院を余儀なくされています。これは結構な社会問題です。

 薬剤費のカットも総治療費削減の目玉です。ジェネリック医薬品の普及です。そのためには医薬分業を進めないといけません。調剤薬局への国の援助が進んでいます。積極的にジェネリック医薬品を処方することで、保険点数を加算するという、薬局にはありがたい制度を導入することで、ジェネリック医薬品普及を促進しています。

 国の破綻、日本危機が叫ばれていますが、本当にそのようなことになったとしたら、真っ先に手を付けられるのが医療費の削減です。まことしやかに叫ばれているのが、薬剤負担は保険点数の適用外にする、つまり実費精算を強いられるのではとのことです。これはTPPの絡みもあり、海外の製薬会社からの圧力も相当強くなっています。

 年を取るごとに医療費は膨らみます。医療に関することは実に深刻です。老後を考えるにおいて、あまり明るい話題はないようですね。せめて夢でもふくらましましょうよ・・・