日曜日, 2月 20, 2011

問題は食料価格の高騰

 エジプトでの民族決起による政権転覆、その根本には高い失業率があります。職がないということの厳しさに追い打ちをかけているのが食糧費の高騰です。第一次産業品の価格高騰は、低所得者層には切実な問題です。
 エンゲル係数というものがあります。総支出に対する食費にかかる割合で、高額所得者、いわゆる富裕層は、もともとエンゲル係数は低く、少々の食料品の価格が上がったところで大きな影響はないですが、低所得者にとっては、食品の価格王上昇は生命線です。エジプトの紛争の余波の本当の恐ろしさは、各国が抱える低所得者層の暴動のきっかけが、この世界的な食費の高騰にあることにあります。特に、一党独裁政権では、もろ火の粉が飛んでくることを、非常に恐れています。ムバラク前大統領の私腹を肥やすことに、庶民は限界を覚えていましたが、同じことが中国にも、かなり鬱積しているはずです。
 自然災害が原因だとか、新興国の食生活が変わったということを、価格高騰の原因としていますが、勿論、それも大きな要因ではありますが、投機筋の根の釣りあげは考えられないでしょうか。