火曜日, 12月 02, 2008

ヘッジファンドの資金流出、10月は過去最大の6兆円

 世界の投資家の資金を集めて株式の短期売買などで高い運用利回りを狙うヘッジファンドから、資金流出が加速しています。新規の投資額から解約額を差し引いた流出額は10月に約620億ドル(約6兆1,000億円)にのぼり、月ベースで過去最大となりました。世界的な金融危機と株価急落を受け、投資家がファンドの解約を急いだためです。シンガポールの調査会社ユーリカヘッジが世界の約8,000のヘッジファンドを対象に集計、資金流出は3カ月連続で、市場混乱が広がった9月(420億ドル)と10月の2カ月間で1,000億ドルを超えました。
 ヘッジファンドは原則、決算時期にしか解約できない商品が多く、そのほとんどが11月、12月が決算月のようです。ヘッジファンドの世界残高が200兆円を大きく割り、ジョージ・ソロスも、年初(約200兆円)から半分以上は無くなると発言しています。ヘッジファンドがある程度落ち着けば、株式市場での売り圧力も弱まると思われます。
 世界金融恐慌の恐怖は証券化商品の残高が不透明なことで、その証券化商品の担い手がヘッジファンドです。Citi Bank への直接,政府が不良債権保証を行う、GMなどのビッグカンパニーの救済が決まれば、12月中旬までは一進一退の動きでしょうが、世界恐慌も収束していくでしょう。次は、リスクを一手に引き受けたアメリカの危機説をどう克服するかでしょう。