月曜日, 12月 15, 2008

派遣2009年問題

 派遣労働とは、労働者が派遣元企業と契約した上で、派遣先企業の管理下で働く雇用形態を指します。製造業では当初、労働条件を保護する観点から派遣が禁じられていましたが、雇用の確保や雇用形態の多様化などの観点から2004年3月に労働者派遣法が改正され、これにより製造業における派遣も解禁となりました。
 製造業の場合、派遣期間の限度は3年となります。期間に限度を設けているのは、派遣労働が建前上「正規雇用などへの繋ぎ」と位置付けられているためです。2004年の改正法では、製造業の派遣期間を暫定で最長1年と定めましたが、2007年3月に最長3年に延長して現在に至っています。この期間を終えた派遣労働者が同じ職場に就こうとする場合、同法に基づく指針により3ヵ月以上のクーリング期間(その派遣先・業務で働かない期間)を置く必要があるとされています。
 実はこのとき派遣労働者となった人々は、来年一斉に派遣期間を終えることになります。企業側から見ると、クーリングを行う3ヵ月間、製造ラインから派遣労働者がいなくなる問題が起こります。これが「派遣2009年問題」です。
 バブル崩壊後は「リストラ」の名の下に首を切られました。ただ早期退職という名目で、いくらかのお金が支給されて会社を去っていますが、今の、俗に言われる「派遣切り」では、まさに裸で追い出されるようなものです。
 そもそも派遣という制度を、日本企業が積極的に導入するようになったのは、アメリカの年次改革要望書によるものだと言われています。日本の経済成長をおそれたアメリカが、その日本の成長の源となっている終身雇用と年功序列、頑張れば、出世して給料が増えるという、従業員のモラルをおそれ、労働機会の自由の名の下に、派遣の積極的受け入れを推し進めるよう、制度改正を迫ったと言われています。