火曜日, 12月 30, 2008

アメリカ長期金利が低下、ドル暴落に注意

 米連邦準備理事会(FRB)による異例の金融緩和を受け、米金融市場では長期金利が2%割れ目前の歴史的な低水準に低下し、ドル相場が急落しています。FRBが米国債の買い入れを検討すると表明したことが長期金利を押し下げる一方、大幅緩和でドルの価値が目減りするとの懸念が強まっているためです。長期金利の低下は、景気下支えには好都合となりますが、過度のドル安には海外資金の流入を阻害するなど副作用もあります。金利低下は株価にとっては好材料、しかし自国通貨を海外から誘い込むには不都合ということです。
 FRBは今月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の誘導目標の下限をゼロに切り下げる一方、「長期国債を買い入れる利点を検討する」などとして量的金融緩和の一段の拡大を打ち出しました。これを受けて債券市場では米国債の利回りが低下(価格は上昇)、長期金利の指標となる10年物国債の利回りは18日に一時2.03%と過去最低を更新。11月初め(3日、3.91%)の約半分の水準まで下がったことになります。
 相次ぐFRBによる救済措置(銀行、証券、保険、ノンバンク、一般企業にいたるまで)のための資金源として赤字国債の大量発行は避けられません。次なる米国の打つ手は、ドル暴落の阻止です。一時的には景気回復のために「ドル安」、その後は米国の世界的地位の復活のために「ドル高」という方向なのでしょう。この潮目がいつなのかが今後の焦点ですね。おそらく来年4月2日の第二回金融サミットあたりかも...