水曜日, 9月 19, 2012

住宅ローン相談での話です...

 理想の形と現実の形は違うことはよくあります。現実では、いろんな要素が絡み、あるいは、どうしても歪を作らざるを得ない事情があり、きれいな線を描けないということはよくあります。しかし、その現実とは向き合わなければならないというのも人生です。

 何が言いたいのかと言うと、昨日、あるFPの方と、ライフプランについてお話しをしていた時のことです。住宅ローンの話題になり、その方は、これからの金利上昇を考えれば、多少金利が高くても長期固定がいいと断言されていました。

 確かにそれはそれで事実でしょうが、今後の子供の教育費を考えると、どうしても、住宅ローン返済額は低く抑えたいし、変動金利では優遇制度があり、長期 固定と1%以上、場合によっては2%近くの開きがあります。毎月の返済額が万単位で異なってきます。それでも長期固定がいいのか、子どもの教育費がかかる 時に、住宅ローン返済できるのかというのが相談者の質問です。

 そのFPの方は、キャッシュフロー表を作って説得しているとのことです。しかし、顧客は遠い未来よりも近い現実を重視して、変動金利のローンを選ばれたということでした。

 この話の流れで、いろんなことを感じました。

 確かに、これからの金利上昇は間違いありません。しかし、いつから上がり、どれくらい上がるのかはわかりません。バブル期みたいな金利になるのでしょうか。

 そのFPの方は、長期固定選択にすべきと言い続けていましたが、このFPと相談者との間に、何か大きなものが欠如しているように感じました。相談者の悩みももっともです。

 そもそも住宅ローンを汲もうとしていることが間違いなのでしょうか。購入物件の金額を落とせないのでしょうか。

 不動産販売会社は、物件を売ったらそれでおしまいです。購入者の住宅ローン審査が通れば何でもいいのです。住宅販売会社にとっては、全額現金で買われても、ローンを組んで買われても、どちらも同じ現金です。ローン審査が通りやすい方がいいのです。

 そんな環境の中で、住宅を選び、購入しているのですから、お客様にとっても、何も考えられないでしょう。FPの人の言うとおりにして、高い金利では審査が通らないこともあります。そもそも、審査を通すことが目的なのでしょうか。

 教育費までも考えて、最初は低い金利で対応し、その後の家計を管理してあげることで、老後を守ることは、FPには出来ないのでしょうか。相談者の言うと おり、変動金利のローンを選んだら、その人の老後はもうないのでしょうか。変動金利選択後のライフプランアドバイスは、FPはしてくれないのでしょうか。

 金融商品や住宅販売側、いわゆるセルサイドは、顧客の見方ではありません。

 すごくよくある事例ですが、いろんな要素が含まれていると思います。