金曜日, 1月 23, 2009

まだまだ不透明な世界経済に関するニュース

 米大手銀行、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェースの3行が2008年10~12月期決算で計上した不良資産処理に伴う損失は計445億ドル(約4兆円)と、サブプライムローン問題が本格化した2007年半ば以降で最高水準となりました。財務悪化懸念から各行の株価は下落が続いており、一段の損失拡大に歯止めをかけるため、金融機関から不良資産を切り離すなどの抜本的対策が必要になりそうです。
 10~12月期は損失処理対象がリスクの大きい証券化商品などから、信用力の比較的高い住宅ローンやカードローンなど個人向け融資、商業用不動産など法人向け融資にも広がったのが特徴で、サブプライムローン焦げ付きに端を発する「突発型」から、経済全体の悪化に応じて貸倒引当金を積み増す「不況型」に変化しつつあるようです。
 その世界の金融機関が米国のローン関連で抱える損失について、米金融大手ゴールドマン・サックスは2兆ドル(約180兆円)を超すとの推計をまとめました。米国の住宅の値下がりが主因で、損失の見込み額は昨年3月時点よりも78%増えました。米国の景気後退の深刻化を背景に、住宅以外の企業向けやクレジットカードなどのローンに絡む損失も膨らむとみています。
 金融機関の損失はローンの貸し倒れに加えて、住宅ローン担保証券などのようにローンをまとめて売買できるようにした金融商品への投資の失敗でも生じています。市場では金融危機の再燃への懸念が根強く、損失の膨張に備えた資本が不十分との見方もくすぶるようで、米国では今のところ追加できる公的資金枠が3500億ドルしかなく、2兆ドル超の損失が現実になれば、日欧も含めた公的資金の増枠が課題になりそうです。