土曜日, 1月 31, 2009

ロシアの通貨ルーブルの下げが止まらない

 大規模なルーブル買い介入にもかかわらず対ドル相場は1998年のデノミ以降の最安値を連日更新し、中央銀行が維持するとした「防衛ライン」(1ドル=約36ルーブル)割れが確実な情勢です。原油安の影響で2009年は財政赤字とマイナス成長が濃厚となっており、債務不履行と通貨切り下げに追い込まれた1998年の経済危機以来の苦境に陥っています。
 ルーブルの対ドル相場は30日、1ドル=35ルーブル台と、昨年7月の高値から50%超下落しました。中央銀行は連日数十億ドル規模のドル売り介入を繰り返しており、外貨準備高も急減しています。ある国内銀行の幹部は「政府からはルーブル売りを控えるよう指示がきているが、誰もが外貨確保に走っている」と話していると報じられています。
 中央銀行が自国通貨を維持するために為替介入するための資金は外貨準備預金です。かつて、イギリスが仕掛けられたポンド暴落の時に介入が十分できなかったのは、外貨準備を潤沢に保有していなかったことから、今はそのときの教訓で、各国は外貨準備を積み立てています。ロシアではその準備高が急減している状況下でルーブルが下げ止まらない問うことは危険水域と言えるでしょう。
 もともとロシア人気は、その広大な大地に眠る地下資源が魅力でした。世界の天然資源の20品目もベスト10圏内にあるロシアは、原油高により資金もロシアに流入していましたが、原油価格の下落とともに、ロシアから資金は逃げていきました。
 前回の時は、日本の円は売られる格好でした。今回がそうなるとはわかりませんが、異常事態には変わりません。