木曜日, 2月 12, 2009

米景気対策がなかなか決まらないのは...

 米景気対策法案は、上下両院可決で総額7,890億ドル(約71兆円)規模で落ち着きました。その規模は縮小された感じです。このうちの1/3が、中間所得者層の減税に使われることになります。
 かつてないほどのアメリカの危機を、全米一致になって乗り切ろうとしているのかと思えば、一枚岩にはなっていないようですね。景気対策という大命題に向かっているはずが、なぜ、上下院、民主党と共和党とでこんなに意見が違うのでしょうか。
 上院は、全米各州から2名ずつ選出されて構成されています。かつての貴族院で、お金持ちの集まりという感じです。経済の立て直しのためには必要と、今回も景気対策に対しては大きな資金拠出にも積極的な立場です。ところが下院を支えている選挙民は一般庶民という感じです。なぜ、高額所得者を守るために(金融機関の役員やプライベートヘリ所有しているメーカー社長等)巨額の税金を使わなければならないのかという意見です。これは、共和党といえども庶民の選挙民は無視できないのです。
 民主党と共和党での違いは、小さな政府と大きな政府の違いによります。共和党は、商工会議所の親分のような感じで、企業よりの政策が多いです、法人税減税が常の政策です。オバマ大統領の中間層への減税に対しては消極的です。社会保障制度に関しても、政府のすることはできるだけ限定的にという立場です。エコや環境の公共事業創出も、もし共和党政権であれば出てこなかった発想でしょう。
 アメリカの政策決定の過程は、議会で法律を作って大統領が署名するという手順です。基本的には、上下院での議決なくしては何もできないということです。オバマ大統領就任演説で、全米一致でこの難局を乗り切ろうという台詞が何度も出てきたのもうなずけると思います。
 いまは、全米が一丸となって、いろんな対策を実行しなければなりません。それも時間との勝負です。一部のお金持ちを助けるというイメージはぬぐえないし、そのために税金を使うことの是非は当然考えられます。でも、残念ながら金融の健全化なくして経済の復興はありえません。
 日本でも同じですが、マーケット関係者は手術を敢行、カンフル剤を注射という表現で、公的資金の投入(税金を使う)を訴えるのは、何よりも早急にマーケットの健全化を図るためです。いっぽう、税金をそのように使っていいのかという側もあります。その綱引きが、なかなか物事が決まらない状況を生み出しています。
 日本や米国や欧州ではその気質が若干異なります。なにやら、国民と国との信頼関係がどうかということの違いなのかもしれません。