火曜日, 11月 13, 2007

イーバンク銀、最終赤字50億円・9月中間、サブプライムで評価損/社会保障費の財源に消費税

 内閣府が13日朝発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.6%増、年率換算で2.6%増でした。1%台半ばから後半とされる潜在成長率を上回り、2四半期ぶりのプラス成長に転じました。輸出による外需の取り込みや、企業の堅調な設備投資が寄与し、住宅着工の遅れなどによる悪影響を吸収しました。けん引役は外需で、輸出が前期比2.9%増加、控除項目の輸入は0.5%増にとどまり、外需は成長率を0.4%押し上げました。外需の寄与度がプラスになったのは5四半期連続よなります。一方、内需は0.2%増加。設備投資が1.7%増と前期の2.1%減から持ち直したほか、個人消費も0.3%増(前期は0.2%増)と堅調でした。6月の改正建築基準法の施行に伴い建築着工が急減し、住宅投資は7.8%減と落ち込みましたが、内需の柱である設備投資と個人消費の伸びで補ったようです。民間在庫の寄与度はプラス0.1%となり、GDP成長率のうち内需の寄与度はプラス0.2%でした。

イーバンク銀、最終赤字50億円・9月中間、サブプライムで評価損
 インターネット専業のイーバンク銀行の2007年9月中間期決算は、50億円程度の最終赤字(前年同期は6億円の赤字)になったもようです。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に絡み、有価証券の評価損が約35億円に上ったようで、下期からは資金運用に頼ったこれまでの事業モデルを見直し、手数料収入など安定収益の確保を急ぎます。イーバンク銀は3月末時点でサブプライムローンを組み込んだ債券を26億円分保有。直接の損失は4億円程度にとどまりましたが、証券市場全体の低迷により、その他の有価証券の評価損が膨らみました。7月に発行した新型カードのシステム投資などもかさんだようです。

社会保障費の財源に消費税
 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は、2008年度予算編成に向けた建議(意見書)の素案で、 増加する社会保障費を賄うため、消費税を含めて財源確保策を検討すべきだと言及し、消費税を将来の社会保障財源と明確に位置づけました。社会保障費を抑えるため、財政状況が悪い健康保険組合を国費で支えるだけでなく、財政に余裕のある健保組合にも一定の負担を求めるべきだと指摘、文部科学省が求める公立小・中学校教職員の大幅増員に対しては、まず事務の合理化などを尽くすべきだと真っ向から批判しました。政府・与党が検討している地方税収の格差是正については、法人事業税と法人住民税の地方法人2税を自治体間でやり繰りする案を示しました。消費税率5%のうち1%を地方に配分している地方消費税を拡充するという総務省の主張をけん制、いずれも予算編成に向け、政府・与党内で調整の余地も残されています。素案には、初めて将来の財政状況の推計が盛り込まれました。政府方針通りに歳出削減や増税を行わないと、2050年度に国・地方の債務残高は名目国内総生産(GDP)の約4倍となり、現在の1.4倍から大幅に悪化すると警告しました。