水曜日, 1月 30, 2008

あいおい損保、損失倍増

 国際通貨基金(IMF)は29日、最新の世界経済見通しを発表しました。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を発端とする金融不安が響き、世界経済の減速感が強まったと指摘。2008年の実質経済成長率については日本と米国が1.5%にとどまり、世界全体では4.1%に鈍化すると予測しました。IMFは昨年8月9日以降の金融不安が悪化し「市場の緊張が高まった」と強調。最近の世界同時株安にも触れ「不透明感が増している兆候だ」との認識を示しました。日本の2008年の成長率は昨年10月時点の前回見通しを0.2ポイント下方修正し、2007年実績見込みの1.9%を下回ると予測、建築基準の見直しで住宅着工が落ち込み、家計や企業の心理も悪化しているとの見方を示しました。建築基準の見直しは相当響いているようで、工事ができず、下請けの建設業は支払に困るところも出てくるでしょう。業界の特性で、1~3月の売上げ期待のところが多く、結構深刻だと思います。

あいおい損保、損失倍増
 あいおい損害保険は、昨年9月末時点で252億円と見込んでいた米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)関連の損失が、約2倍の500億円超に膨らむ見通しを明らかにしました。昨年10月以降もサブプライム関連の証券化商品の価格下落が続いているためで、2月下旬に公表する2007年度第3四半期(10~12月)決算で保有するサブプライム関連証券などの評価損を積み増す方針です。あいおいは損保業界4位で、2007年3月期連結決算の経常利益は約272億円、最終(当期)利益は約161億円でした。サブプライム関連の評価損はこれらを大幅に上回る見通しで、経営への影響も避けられないようです。あいおいのサブプライム関連の投資残高は昨年9月末時点で1,154億円。同9月中間決算では、市場価格を参考に全体の1/4の252億円を評価損として計上しましたが、その後もサブプライム関連商品は相次いで格下げされ価格が一段と下落、評価損を大幅に積み増さなければならなくなりました。サブプライム問題では昨年秋以降、損保業界2位の損害保険ジャパンが、サブプライム証券などの元利払いを保証する金融保証保険事業で約340億円の損失処理を行うと発表。また、三菱UFJフィナンシャル・グループも、昨年10月時点では約270億円だったサブプライム関連損失が同12月末では500億~600億円規模に拡大する見通しになっています。3月決算を迎え、企業の決算報告次第で、マーケットには影響があるかもしれません。