水曜日, 6月 20, 2007

成長重視、「骨太方針2007」決定

 国会は12日間、会期を延長しました。過去、会期延長後の参議院選挙は自民党が負けているというジンクスよりも、法案可決が優先されました。何をそんなに急いでいるのか。「教育改革関連三法案」「イラク復興支援特別措置法改正案」は強行採決、「国家公務員法改正案」の今国会での成立に並々ならぬ意欲を見せる安部首相。“年次改革要望書”で、アメリカから強く言われているのかと思いたくなるような急ぎぶりです。さらに、選挙用でしょうか、「社会保険庁改革関連法案」「年金時効撤廃特例法案」と、5点セットの早期可決に向けての会期延長です。「通常国会」と呼ばれるのは春に行われます。国会議員は半年だけ国会で働きます。秋に行うのは「臨時国会」です。

成長重視、「骨太2007」決定
 政府は臨時閣議で、経済政策運営の指針となる「骨太方針2007」を決定しました。「骨太の方針」とは、経済財政諮問会議が2001年6月に最初に決定した当面の政策運営の枠組みのことで、毎年6月に改訂しています。「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」が正式名称ですが、今回「経済財政改革の基本方針」に改めました。政府の経済政策の骨格が盛り込まれるうえ、実質的に来年度予算編成の一部を前倒ししている面もあります。小泉前総理と竹中元経済財担当相の時に誕生した物です。安部政権では初めての経済政策発表です。これまでのスローガンと中身を見れば、この骨太方針の内容がわかると思います。
   2001年 「改革なくして成長なし」、不良債権問題の早期解決
   2002年 「構造改革の推進」、広く薄く簡素な税制
   2003年 「地方でできることは地方に」、三位一体改革
                             4兆円の補助金見直し
   2004年 「バブル崩壊後簿負の遺産からの脱却」、郵政民営化法案
                             2005年提出
   2005年 「小さくて効率的な政府の実現」、公務員純減目標策定
   2006年 「新たな挑戦の10年へ」、2011年度国と地方の
                             基礎的財政収支黒字化
   2007年 「美しい国へのシナリオ」。成長力底上げと環境立国戦略
 今回の安倍政権での「美しい国へのシナリオ」というスローガンのもとの骨太方針2007は、竹中氏も酷評を、構成メンバーである民間議員3名からは素っ気ない評価を受けています。