土曜日, 6月 09, 2007

お札発行残高75兆円(20年で3倍)/長期金利が上昇

お札発行残高75兆円(20年で3倍)
 世の中に出回るお札(日銀券)の量が高水準で推移しています。日銀の統計では5月末の発行残高は75兆円になり、バブル景気の20年前に比べてほぼ3倍になります。家計や企業が銀行窓口やATM機で引き出す現金を増やせば発行量は増え、逆に、金融機関に現金を持ち込んで預金口座に入れれば発行量は減ります。経済活動の規模を表す名目国内総生産(GDP)は1987年の1.4倍にとどまっているのに対し、お札の伸びが大きいのは、金利がまだまだ低く、いわゆる「タンス預金」が減らないと見るのが妥当でしょう。90年代、深刻な不況からお札の発行残高は急増、それが金融機関にまわらず「タンス預金」になっていると思われます。
 景気が良くなれば消費や商取引が増え、お札の需要が膨らむのですが、今の時代は、クレジットカードや電子マネーの普及で、経済の拡大が現金需要の増加に必ずしも結びつかなくなっていて、今までの経験則でははかれなくなっています。
 「タンス預金」の額は、1995年末で3兆円弱と言われているのが、2006年はじめには27兆円に膨らんだと言われています。

長期金利が上昇
 世界の長期金利が上昇しています。代表的な指標である新発十年国債利回りが欧米で急伸し、日本でも8日、一時1.92%と約10ヵ月ぶりの水準に上昇しました。世界景気の拡大を背景に、金融引き締め観測が広がっています。景気の足腰が強ければ、金利上昇(=債券価格の下落)は、債券から株式への資産が移動しやすくなりますが、今回は、株安路債券安が同時進行しています。株式市場も完全に信頼があるとは言えない状況のようです。