水曜日, 6月 06, 2007

円の価値は低下/キャリートレードの反動が怖い

円の価値は低下
 外国為替市場では、円が全面安の展開です。ユーロ、英ポンド、豪ドル、カナダドル、NZドルすべてに円が安くなっています。「実質実効為替レート」といのを日銀が発表しています。これは、通常私たちが目にするドルやユーロなど個別の通貨に対する為替相場ではなく、様々な通貨に対して全般的に円が「安い」か「高い」かを見る指標です。相手国・地域の物価を加味した上で、貿易額に応じて為替相場を加重平均したもので、数値が小さいほど円安が進み、日本の輸出環境が好転していると判断します。この数字が円安(数値が小さく)に向かっていて、1985年9月のプラザ合意の時点まで数値が小さくなった(円安になった)ということです。
 通常、その国の経済状況が良くなると通貨は強くなる、つまり高くなるものです。日本は完全失業率が9年1ヶ月ぶりに3%台に低価、1~3月期の法人の設備投資が伸びていて、日銀も総切り上げを検討するほど経済状況が良くなっているにもかかわらず、円はすべての塚に対して「安く」なっている状況です。

キャリートレードの反動が怖い
 円を売って外貨を買う、いわゆる円キャリートレードが進むのに加え、個人マネーも外貨購入に動いていて円が安くなっていると分析されています。これには日本と海外主要国との「金利差」が影響しています。「金利=長期金利」と考えると、アメリカは利下げ見送り、ヨーロッパは年内2回の利上げ観測、オセアニア諸国の高金利と、日本が少しずつ金利を上げているとはいえ、その差は縮まらない状況が、円売りを誘っていると言えます。でも、いつかは反転するときがあるでしょう。ヘッジファンドと呼ばれる外国資本が円キャリートレードの主役のようですが、彼らには「利益」優先で、そこには感情は一切無い。ちょっとした動きで経済状況は反転することも考えられます。常にリスク管理は必要であると言うことを忘れないようにしましょう。