金曜日, 5月 04, 2007

保険会計に時価評価・国際会計基準理事会が2010年導入/プラザ合意後の最低更新(4月の実質実効為替レート)

保険会計に時価評価・国際会計基準理事会が2010年導入
 国際会計基準をつくる国際会計基準理事会(IASB、本部ロンドン)は、保険会社の会計に2010年から初の国際共通ルールを導入する方針を正式発表しました。保険会社の負債に当たる保険契約の評価に時価(現在価値)評価を導入します。保険会社の経営内容の透明性を高め、一般の消費者が保険会社を選ぶうえで比較しやすくするのが狙いです。IASBは正式な基準のたたき台となる検討資料を開示。11月まで関係者から意見を募り、具体的な基準づくりに着手します。作成には米国会計基準団体や保険監督機関も加わります。保険会社は加入者との保険契約を将来の支払いを約束した負債として、貸借対照表に計上しています。日本では原則として金利など契約時点の状況のままで負債の評価を計算しており、各国でも共通ルールはありません。「外部から比較しにくく、ブラックボックスのようだ」(IASB)という批判が出ていました。

プラザ合意後の最低更新(4月の実質実効為替レート)
 日銀が2日発表したところによりますと、4月の円の実質実効為替レート(速報値)は96.9となり、先進5カ国がドル高是正で合意した1985年のプラザ合意後の最低を更新しました。内外金利差を背景に円が幅広い通貨に対して売られたためです。実質実行為替レートは、複数の貿易相手国の通貨に対し、物価変動や貿易量などを勘案して実質的に割高か割安かを表す指標で、1973年3月を100とし、数字が小さいほど円安で、輸出競争力の面で有利なことを示します。4月の円相場は、先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)で目立った円安批判が出なかったことから、円売り安心感が台頭し、米景気の先行き不透明感から対ドルでの下落は限定的だったものの、対ユーロで初めて1ユーロ=163円台に下落したほか、オーストラリア・ドルや英ポンドといった高金利通貨に対しても円安が進みました。