日曜日, 5月 13, 2007

医療保険、後発薬普及へ見直し/海外新薬、1年半で承認・厚生労働省、5年計画

医療保険、後発薬普及へ見直し
 政府は先発医薬品(新薬)と効果が同じで価格が安い後発医薬品の普及を促すため、医薬品に対する公的医療保険の適用範囲を見直す検討に入りました。保険給付でカバーする金額を後発薬を基準に設定し、あえて割高な先発医薬品を選んだ場合は患者の自己負担が増える仕組みとします。薬の選択でのコスト意識を高めて医療費を抑える狙いで、これにより薬剤費を1兆円近く削減できると見込んでいます。日本で処方されている薬のうち30~40%では先発薬と後発薬が併存しています。後発薬の価格は先発薬のおおむね半分程度とされますが、効用や価格についての理解が道半ばで、先発薬が提供されるケースが多いようです。薬剤費が年間7兆円まで膨らむ中で、公的負担削減のためには後発薬の普及が急務になっています。

海外新薬、1年半で承認・厚生労働省、5年計画
 厚生労働省は患者の要望が強い新薬などを使いやすくする仕組みを整えるため、使用の承認に必要な治験(臨床試験)を製薬会社が素早くできるよう、複数の国で同時に効能を検証する「国際共同治験」を推進します。海外で開発された薬などの承認までの期間を現在の約4年から1年半程度に短縮し、患者の選択肢を増やし、国内医薬品の質の向上につなげます。厚生労働省は月内に詳細を詰め、医薬品の質の向上に関する5カ年計画をまとめる方針です。日本は新薬承認に時間がかかり、欧米で一般に使える薬が国内では使えない「ドラッグラグ(薬の時間差)」と呼ばれる問題が深刻化しています。